2010年08月14日

Mさん話「宇宙戦艦ヤマトの影響」ver.1.2

Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(後編)の続き。
http://cost-off.seesaa.net/article/149157135.html


  Mさん話「宇宙戦艦ヤマトの影響」

 以前(2009年)、Mさんから
「ナディア(『ふしぎの海のナディア』)の戦艦の描写や戦闘シーンはヤマト(『宇宙戦艦ヤマト』)のパロディだよ。ここまでやるかっていうぐらいヤマトだよw」
と教えてもらったが、
(参照:Mさん話「DAICON4(庵野監督)」
http://cost-off.seesaa.net/article/120560117.html

いかんせん、ヤマトは俺が生まれる前の放送で、保育園のころに再放送で数回観た記憶はあるが、覚えているのは、
・オープニング(以下、OP)の歌
(主題歌の『宇宙戦艦ヤマト』の作曲家の宮川泰が2006年3月21日、虚血性心不全で急逝(享年75)し、告別式で「宇宙戦艦ヤマト」の曲が演奏された。これは生前からの本人の希望だった。このニュースで数年ぶりにヤマトの主題歌を聞いたが、今聞いても名曲だった)

・ストーリーは地球がガミラスの攻撃で汚染されていて、イスカンダルへ放射能除去装置のコスモクリーナーDをもらいに行く
(この辺のストーリーはほとんどOPの歌で説明されていたのでわかった。コスモクリーナーは覚えていたが、Dが付くとは覚えてなかった。)

・ヤマト最大の武器は波動砲
(しかし、波動砲の波動の意味も理解してなかった。漢字もすぐにはかけなかったぐらい小さかった)

・敵のボスは顔色の悪いデスラー総統。ワインをよく飲んでいて、下品な笑いをする奴は「ガミラスに下品な男は不要だ」と言って、突然、床が開いて消されてしまう。
(なぜかこのシーンはよく覚えている)

・毎週、最後の画面に地球滅亡まであと何日というのが出る
・エンディングの曲(『真赤なスカーフ』)が演歌か歌謡曲みたいで嫌だった。これはガンダムも同じでOPは好きだが、EDは子どもの頃に聞くとすごくかゆくて嫌だった。

ぐらいで、ナディアとは全然違うだろうと思っていた。
 が、最近、ヤマトの漫画版(松本零士の漫画版)の復刻版(コンビニで売ってる分厚いやつ)を読んで、さらにレンタルでヤマトの劇場版を観て、Mさんが話していた意味がわかって驚いた。

 ナディアに限らず、ほかのアニメでも似たような描写、同じ台詞(似てる台詞)ってのが実に多い。いくつか取り出すと、
・ヤマトの波動エンジンがノーチラス号のエンジンに似ている。ついでにレーダーとかの計器類もそっくり。
(この辺はMさんも説明してくれてた。)

・傾いて昇るエレベーター
・ガミラスの衛星兵器→ナディアのバベルの塔のしもべの星(衛星兵器)
・ヤマト発進前の台詞「本艦に気づいたな」「そうだ。生まれ変わった姿だ!」をネモ船長が言うし、空中戦艦の来襲、メインエンジン始動、偽装外壁剥離、主砲発射なんかは完全にそっくり。
(ヤマトの2話とナディア36話後半はかなり似ているとWikiでも指摘されている)

・ヤマト「機械にたよりすぎるガミラス人の欠点」→ナディア「我々は機械にたよりすぎていた」

・第三装甲板→エヴァ「第三装甲板融解」

・ヤマトが宇宙で隕石にアンカーを打って戦艦を移動させる→ガンダムSEEDディスティニーの序盤で似たような描写がある

・白色彗星帝国編では、ヤマトが地球出発する際に地球連邦軍の妨害にあう→ナデシコ(『機動戦艦ナデシコ』)が火星に向けて出発する時に地球軍を妨害にあいながら振り切って地球を脱出する。

「明日のために今日の屈辱に耐えるのだ」の台詞も、島本和彦が漫画でよく使っているが、出典がヤマト(の沖田艦長の台詞)だったとは初めて知った。パロディとは思わず、今までずっと「さすが男島本、熱いぜ!」って感動してたw

 他にもヤマトの作品は多いから、出典とか元ネタがヤマトってかなり多いだろう。
 一年以上経ってやっとMさんが説明していた意味がわかった。その場では話してる意味はわかるが、本当の意図がわかるには知識がいる。
 放送当時、ナディア36話を一緒に観ていた姉がN−ノーチラス号の発進シーンを見て
「これ、ヤマトよ」
とポツリと言ったのを思い出した。姉は2歳上だからヤマトを観ていたのだから、すぐにパロディとわかったのだろう。
 当時は何がヤマトなのかわからなかったが、そうか、そういう意味だったのか。

 Mさんは、
「ヤマトはいい作品だよ。ドラマの部分もなかなか深いし、観たほうがいいよ」
と話してくれたけど、昔の作品だし、ガミラスと戦いながらコスモクリーナーを取って来るって話だからそんなにドラマの部分って深かったかなあって思ってたけど、今回劇場版を観て

ガミラス星での決戦の後、主人公の古代進の、
「俺たちは小さい頃から人と争って勝つこと教えられて育ってきた。
 学校に入る時も、社会に出てからも人と競争し、勝つことを要求される。しかし、勝つ者もいれば負ける者もいるんだ。
 負けた者はどうなる。負けた者は幸せになる権利はないというのか。今日の俺はそれを考えたことはなかった。
 俺は悲しい、それがくやしい。ガミラスの人々は地球に移住したがっていた。この星はいずれにせよおしまいだったのだ。
 地球の人もガミラスの人も幸せに生きたいという気持ちに変わりはない。
 なのに我々は戦ってしまった。我々がしなければならなかったのは、戦うことじゃない。愛し合うことだった。
 勝利か・・、くそでもくらえ!」(銃を投げ捨てる)


という長台詞のシーンは大人になって本当の意味がわかった。

 小さい頃に劇場版をテレビで見た時は、あれだけ苦しめられたガミラスにやっと勝って滅ぼしたのに何を言ってるんだ?勝利したのに喜ばないで、なんで後悔してるんだ?と思っていた。
まったくわかっていなかったw子どもに敵と愛し合うはわからないだろうが、大人になった今観ると、あれは戦争の話と日本社会をかけてるんだと知った。

 たぶん、名作といわれる作品は大人になって観ないとわからない部分が必ずあって、そこに作り手のメッセージが隠されてる。1stガンダムのギレンの演説とか、ニュータイプの云々の説明然り、子どもには理解できない話が入っている。だから大人が見ても深いと思えるし、作品の深みがある。


参照:Wiki「宇宙戦艦ヤマト」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%88%A6%E8%89%A6%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88
Wiki「Ν-ノーチラス号」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%CE%9D-%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B9%E5%8F%B7

Mさん話番外「沖縄旅行・おきなわワールド」
http://cost-off.seesaa.net/article/178895416.html
Mさん話「ユニコーンガンダム@景気とクオリティ」につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/183814843.html

〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「タイガーマスクのミスターX〜中間管理職の哀愁〜」2015/11/4.アップ
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-entry-787.html
Mさん話「演出の役割3−3」
http://cost-off.seesaa.net/article/133608985.html
Mさん話「絵コンテ」
http://cost-off.seesaa.net/article/110040206.html
Mさん話「ガンダムとエヴァ@」
http://cost-off.seesaa.net/article/112749838.html
Mさん話「ガンダムとエヴァAスポンサー」
http://cost-off.seesaa.net/article/113010701.html
アニメ業界・作品話(Mさん話)カテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/8611452-1.html

続きを読む→Mさん話(アニメ業界)関連記事一覧


2010年08月10日

K合さん話「ジブリの美術監督」&『海がきこえる』

 先日、同業者のK合さん(10歳ほど年上)から
「人生ってどうなるかわからないよ。
 俺の知り合いだって、30歳過ぎまでアニメの下請けの下請け会社で背景描いてて、給料が5万とか10万円いかないぐらいでやってたのが、ジブリにスカウトされてジブリ映画の美術担当(美術監督?)になったら年収2000万円だぜ。
 それまで実家暮らしだったのが、キャッシュでマンション買ったからね。
 ほんとそれまでは、下請けの下請けの制作会社で背景の絵とか描いてたのが、今じゃ映画のテロップに名前出るからね。
 で、映画が公開される年は2000万円で、それ以外の年は1500万円か1000万円の契約だって言ってたよ。
 昔はさ、いくら好きな絵だっていっても、下請けの下請けの会社で当時は一枚数百円で背景描いて、給料月5万とか多くても10万いかなったんだから、すごいよ。
 はじめ、給料の額聞いた時は、普通に別の仕事したほうがいいんじゃねえの?って思ったけど、今は2000万だもんなあ。サラリーマンでもそんなにもらえてるの少ないよ」

「じゃあ、僕もその人の名前をテロップで見てるかもしれないですね。
 2000万円っすか。会社の役員かプロ野球選手ぐらいですねえ、それだけもらってるのは。
 しかし、下請けの下請けって、ゼネコンの孫受けみたいですよw
 月5万ってそんな昔の話でもないのにそれはきついっすよ。絶対、実家じゃ肩身せまかったと思いますよ」
「だろうなあ。でも、絵が認められてジブリにスカウトされて美術一手にやってキャッシュででかいマンションだよw」
〜以下の会話は省略〜

 で、今日汗だくで帰宅してNHKのスタジオジブリのアニメ制作ドキュメンタリーを見てて、ジブリの宮崎駿・高畑勲の後継者として将来を期待されていた近藤喜文(『耳をすませば』の監督)が、解離性大動脈瘤で1998年1月に47歳の若さで死去していたと初めて知った。

 ついでに、ジブリ作品(ジブリの若手制作)で唯一高知が舞台となった『海がきこえる』(93年5月放送)の原作者の氷室冴子も2008年6月に肺癌で51歳で亡くなってたと知った。もう原作のUの続編は出ないのか・・。
 ちなみに原作の続編の『海がきこえるU』(徳間書店)は、武田真治主演で実写ドラマ化されたが、まあつまらなかったw

 武田真治は、映画っていうとどうしても『七人のおたく cult seven』のアイドル・車改造おたくの役のイメージが強いんだよなあw『七人のおたく』は、1992年12月公開、ウッチャンナンチャン主演のアクションコメディ映画で面白かった。
 武田真治は、あの役の演技はかなりうまく、笑えてしかも臨場感もあった。それ以後のドラマやバラエティでは、キザすぎたり、周りのいじりでなんとか笑いが取れてる感じで、七人のおたくを未だに超えてないと思う。(いいすぎかw)

 『海きこ』は、数年前にブログに出てくる友人のクゥさんが好きだと話題にしてくれて思い出した作品で、クゥさんとの話がなかったら永久に忘れてるところだった。
 原作所も死に、アニメの劇中に出てくる中央線のオレンジ色の電車も今年で完全に引退して消えてなくなるところに時の流れを感じる。



『海がきこえる』
『海がきこえる』(望月智充監督)・・・アニメ版は、日本テレビ開局40周年記念番組として1993年5月5日、テレビアニメとして日本テレビ系列で放映された。
 原作の挿絵を担当した作画監督の近藤勝也をはじめとした、スタジオジブリ内の若手作家を育成する目的で制作され、宮崎駿や高畑勲が全く関わらない初めての作品。夕方4時から放映されたが、この時間帯では異例の視聴率17.4%を記録した。

 近年スタジオジブリの作品が日本テレビ「金曜ロードショー」枠で放送されているが、本作品の放送の機会は他時間帯においても15年以上にわたって確認されていない。理由として以下の三点などが囁かれている。
1. 高校生・未成年者の飲酒・喫煙シーンがある
2. 72分という尺が短すぎて放送枠が無い
3. 宮崎駿が作品を認めていない

3の理由に爆笑wwやっぱそうかw

参照:Wiki「海がきこえる」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E3%81%8C%E3%81%8D%E3%81%93%E3%81%88%E3%82%8B

〜〜〜〜
関連記事:ハッピーバースディ・クマと『海きこ』
http://cost-off.seesaa.net/article/47256816.html
『同業他社のK林さん』
http://cost-off.seesaa.net/article/133511437.html
「キャパでも無理だぜ」(K林さん2)
http://cost-off.seesaa.net/article/166338665.html

・Mさん話「最近の打ち合わせ事情」
http://cost-off.seesaa.net/article/124937613.html
・ Mさん話「演出の役割1」
http://cost-off.seesaa.net/article/125503014.html
・ Mさん話「演出の役割2」
http://cost-off.seesaa.net/article/128998219.html
・ Mさん話「演出の役割3−1」
http://cost-off.seesaa.net/article/129065805.html
・ Mさん話「演出の役割3−1」
http://cost-off.seesaa.net/article/129065805.html
・ Mさん話「演出の役割3−3」
http://cost-off.seesaa.net/article/133608985.html

【訃報】飯田 馬之介【ガンダム第08MS小隊監督】
http://cost-off.seesaa.net/article/171716787.html
本・映画・ドラマ等レビューカテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/3186948-1.html
アニメ業界・作品話(Mさん話)カテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/8611452-1.html

2010年05月07日

Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(後編)

Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(前編)の続き。
http://cost-off.seesaa.net/article/148843794.html

    Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(後編)
nils6.jpg
ニルスのふしぎな旅

「僕が最終回で覚えているのは、ニルスが大きくなってからはもう動物と話せなくなって、それでも何かお別れをしたような。言葉はもう通じないんで、どうやったのかは思い出せないんですけど」

「うん、もう元に戻ったニルスは動物の言葉もわからなくなって、鳴き声にしか聞こえなくなって一緒の旅にもう出られなくなる。でも、夢の中で、一緒に旅をした雁の群れのアッカ隊長が出てきて、
 『いいですか、ニルス。これだけは忘れないで。この空も、あの森も、湖も、人間だけのものではありません。私たち鳥や動物、そして草や木や花、この 地上で生きているみんなのものであることを…忘れないでね』
 って言うんだ。そこで目覚めたニルスは夜明け前に湖へ行って、一緒に旅をしてた雁の群れのみんなとお別れをするんだよ。
 でも、もう雁のみんなはニルスが小さかった頃のようには近づいて来ないんだよ。『人間だっ』て感じで警戒して」

「あー、そんなんだったんですか。確かに旅の途中で出てくる人間はニルスたちにとっても怖い存在に描かれてましたね」

「ほかの雁たちは近づかない中で、アッカ隊長だけは近づいてくるんだ。でも、もう言葉はわからないんだ。
 そこでニルスは、魔法が解けたから元に戻れたけど、言葉はわからなくなってもう一緒に旅に行けないってお別れを言うんだよ。
 それで、雁たちが飛び立って最後にニルスの頭上を何回か旋回していくんだよ」

「あっ、最後に頭上を回って飛んでいくシーンは覚えてます!
 そこで子供ながらに感動したのを覚えてます。近寄ってこなかったのに、一緒に旅をしたニルスってことがちゃんとわかってるんだって。
 でも、もう言葉が通じなくなって、鳴き声にしか聞こえないところはショックでした。
 最終回はほとんど記憶にないんですが、唯一、海に沈んでしまう街の話は覚えてるんですよ。ユダヤ人かヴェニスの商人っぽい話で、ニルスが時間内に買い物をしてあげないとまた海に沈むんでしまう話で、商売とかに夢中になって神に罰を受けて、ニルスが来た時に何かを買ってもらわないと存在価値がないとして、海に沈められるっていう」

「ユダヤ人かヴェニスの商人の街?そんな話あったかなあ?」
「ユダヤ人じゃないかもしれないんですけど、誰かに物を買ってもらわないとその街はまた沈められるとかで、偶然街に来たニルスにいろいろ買ってもらうとするんですけど、ニルスはお金持ってなくて買えないんですよ。
 事情を聞いた後で、街の外の砂浜で銅貨が落ちてるのを思い出して拾いにいくんですけど、間に合わなく街は沈んでしまうっていう話ですごく印象に残ってて、この話だけは覚えてるんですよ」

「どの回だろう?」
「サブタイトルまでわからないんですけど、あれはニルスだったと思いますよ」

 その後、2010年4月になってテレビ神奈川(TVK)でニルスの再放送が始まり、俺の言いたかった回は第14話「月夜に浮かぶ幻の街」と判明。
それまでの話の流れだと、旅の途中に困難があってもなんとか頑張ってその問題を解決して形で毎回ハッピーエンドだったのに、「月夜に浮かぶ幻の街」はアンハッピーエンドだった。
 小さい子供だったので衝撃的な回だった。サブタイトルの「月夜に浮かぶ幻の街」は子供にしたら漢字が多くて覚えてきれないのも無理はないw

 第14話「月夜に浮かぶ幻の街」のストーリーは、
「月の美しい晩に、海辺にいたニルスは、鐘の音と共に、海に浮かぶ街を 見つけます。
 それは、100年に一度、一時間だけ海底から浮かび上がる不思議な街。
(昔、余りに栄え てしまった為、人間が皆高慢ちきになってしまい、神様の怒りに触れたらしい)
 その呪い(魔法?)を解くには、外部からやってきた人間がその街で買 い物をしなくてはならなくて。(ニルスはちっさいのにめっちゃ歓迎されてた)
しかし、ニルスはお金を持っていなくて。
「さっき浜辺に銅貨があった!」(見つけたけど、使えないからニルス は捨ててた)
と思い出して、ニルスはその魔法を解く為に、急いで浜辺に戻るんだけど、お金を転がして行こうとした途端に、鐘が鳴り響き、街は再び 100年の眠りにつくという・・・・。」

参照:つれづれ漫画日記:ニルスのふしぎな旅 - livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/fired/archives/50721189.html

 そうしてこの回の再放送を見ると、実にレベルが高い作品で大人になってみても動きといい、展開、音楽、じつにクォリティが高いと思う。
 昔のアニメは、古いので今見たらたいしたことがないというのは誤りで、Mさんからこれまでも『宝島』や『ガンバの冒険』、『緑ルパン』などをDVDーBOXで借りて観たが、今大人になってみても全然面白かった。
 昔の作品で、子供向けだから子供だましのような作りではない。CGなど特殊効果は少ないが、内容で魅せてる。
NHKのアニメだと無難な作品のようなイメージがあるが、ニルスはNHKでもなかなかハラハラドキドキさせる作品だった。

 Wiki『ニルスのふしぎな旅』によると、
「アニメ版はスウェーデンでも放送されて好評を博し、その中のカットはスウェーデン政府観光局のCMにも使われた。この他にハンガリー、ドイツ、ベルギー、オランダ、フランス、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、イスラエル、トルコ、フィンランドで放送された。
スウェーデンの20クローナ紙幣の 表面には作者セルマ・ラーゲルレーヴ(1909年にノーベル文学賞を受賞)の肖像が、裏面にはモルテンに乗っているニルスの絵が印刷されている。
 アニメはスタジオぴえろ(現ぴえろ)が製作し、製作当時スタジオぴえろの社員であった押井守も演出として参加している」
nils5.jpg

参照:Wiki『ニルスのふしぎな旅』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%81%B5%E3%81%97%E3%81%8E%E3%81%AA%E6%97%85
非公式ファンサイト:『Wonderful Adventures』
http://home.catv.ne.jp/ss/nilsfan/

ニルスの不思議な旅DVD、Amazonリンク

Mさん話「宇宙戦艦ヤマトの影響」につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/159421895.html

〜〜〜〜
関連話:Mさん話「タイガーマスクのミスターX〜中間管理職の哀愁〜」2015/11/4.アップ
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-entry-787.html
Mさん話「作監」「茄子 アンダルシアの夏」
http://cost-off.seesaa.net/article/107494745.html
Mさん話「映画談義3・ゲゲゲの鬼太郎」
http://cost-off.seesaa.net/article/123288136.html
Mさん話「宝島」
http://cost-off.seesaa.net/article/106218441.html

Mさん話「巨人の星�」
http://cost-off.seesaa.net/article/189624266.html
Mさん話「巨人の星2 オズマの最期」
http://cost-off.seesaa.net/article/191717021.html

Mさん話「特撮話ウルトラマン・ウルトラセブン」
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-entry-401.html
Mさん話「特撮話・仮面ライダー」
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-entry-436.html
・Mさん話「特撮話・仮面ライダー2」
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-entry-440.html

・Mさん話「特撮話・ゴジラ」
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-entry-479.html
・Mさん話「映画談義」
http://cost-off.seesaa.net/article/121491208.html
・Mさん話「映画談義2・ヤッターマン」
http://cost-off.seesaa.net/article/121959079.html

・Mさん話「アニメ映画はヤマトから始まった&ガンダム劇場版」
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-entry-216.html

・Mさん話「ガンダムとエヴァ�」
http://cost-off.seesaa.net/article/112749838.html
・Mさん話「視聴率・壱」
http://cost-off.seesaa.net/article/116620802.html

【目次】コラム人物編目次part1
http://cost-off.seesaa.net/article/107966008.html
まとめて読む→アニメ業界話・作品話(Mさん話)カテゴリー(コストブログ)
http://cost-off.seesaa.net/category/8611452-1.html
アニメ業界話・作品話(Mさん話)カテゴリー(コストブログ2)
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-category-5.html

続きを読む→Mさん話関連記事目次一覧

2010年05月05日

Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(前編)

【アニメ業界】Mさん話「魚眼レンズ効果」の続き。
http://cost-off.seesaa.net/article/139810859.html


    Mさん話「ニルスのふしぎな旅」

2009年6月.駅前の居酒屋にて。色んな作品についてのトーク。
「小さい頃のアニメで観てた覚えがあるのは『ニルスのふしぎな旅』ですね。NHKの」
nils.jpg
ニルスのふしぎな旅
小さくなったニルスとハムスターのキャロット、ガチョウのモルテン、一緒に旅をする雁の群れ

「ただ、当時はものすごく小さかったんで本放送だったのか、再放送を見てたのかもわからないんですけど、オープニングの歌詞の中で英語の部分があって、それはもう完全に字幕も読めないし、意味不明だったんですけど、『oh!ニルス』ってところは聞き取れて、ニルスの前のoh!の意味がわからなくて、二つ上の姉に『oh!ニルスのoh!って何?』って聞いたぐらいですよ」

「ニルスの歌は、始めに子供の声で『ニルス、カモン ニルス(Nils!come on Nils) カモナアップ(come on up!)』って呼びかけ声が入って、それからニルスのふしぎな旅ってタイトルが出て、
 タタン、タン、タタン♪ oh, come on up,Nils
 旅に出かけよう 準備なんかいらない
 春を探しに 空を行けば 初めてみるものばかり
 oh, Nils!その耳を すましてごらん 
 動物たちのささやき声に
 oh, Nils!その瞳 こらしてごらん
 朝日が昇るあの地平線を
(Mさんがオープニングを小声で歌ってくれる)」

主題歌「ニルスのふしぎな旅」
作詞:奈良橋陽子、藤公之介、作曲:タケカワユキヒデ、歌:加橋かつみ
参考動画:ニルスのオープニング
http://www.youtube.com/watch?v=mePPAWc4hnU&mode=related&search=

 それを聞いて、20年以上記憶に眠っていたニルスのオープニングの映像が頭に浮んだ。
「あーっ、そう、それです!確か、そのオープニングの中にアフリカっぽい風景で滝があったような気がするんですけど」
「あるよ。滝があってその前の川をトナカイが飛び越えるシーンがあるよ」

「じゃあ、この記憶の歌と映像は合ってるんだ。
 当時は姉も小さかったから、歌詞のわからないところや字幕を指して、これなに?って聞いても、『英語よ』としか答えてくれなかったんですけど、今に思い返せばoh!の意味すら理解できないぐらい小さかったんですけど面白くて毎週見てましたよ。たぶん、保育園の頃だと思うんですけど、それでもニルスは夢中になって見てましたよ。
ニルスは、こうサンタみたいな帽子かぶってて先に何かついてたような記憶があるのと、あと、アイキャッチかなにかで3Dのような立体的な不思議な絵が出てなかったですか?」

「ああ、出てたねえ。キラキラしたプリズムのバックにモルテンに乗ってるニルスの人形が写ってるのが。ニルスの帽子の先には小さな笛がついてるんだよ」

「あ、笛だ。プリズムもそうなら、この記憶もニルスで合ってるんだ。あの映像が小さいから不思議に見えたんですよ」
 俺の記憶は1歳ぐらいからあって、年子(1年3ヶ月違い)の妹が母の腹の中にいる頃からあるのだが、断片の記憶なので何歳の頃の記憶なのかは写真とか記録と照らさないと判断できないのが多い。
 ニルスの場合は、本放送と再放送の両方見ていた可能性もある。
かなり小さい頃に見てたので、部屋の隅からアニメに出てくる妖精が出てきても驚かず喜んだぐらいの年だったと思う。ニルスを見た後で、うちには妖精はいないのか?って思ったぐらいw

「ニルスの塗り絵をやったぐらいの年でしたから。面白くて観てたのに、内容はもうほとんど覚えてないですねぇ。
 ニルスが小さくなって、白鳥かアヒルか白い鳥に乗って旅をしたのは思い出せるんですけど、なんで小さくなって、最終回にどうやって元に戻ったのかとかは全然覚えてないですよ」

「乗ってるのは白鳥じゃなくて、ガチョウのモルテンだよ。白鳥は旅の途中で出てくるけど、ものすごくプライドの高い鳥だよ。
 元々、ニルスは家で飼ってる動物たちにいたずらばかりする悪ガキで、ある時、家の宝石箱だったかな?箱から出てきた小人の妖精を虫取り網で捕まえて、妖精と離してくれたら金貨をあげるっていう約束をしたのに、金貨をもらったのにニルスは約束を守らなくてもっとよこせって言って、妖精を怒らせて魔法で小さくされたんだよ」

「妖精に小さくされたんだったんだ。あれってガチョウだったんですか?ガチョウって飛べるんですか?」
「飛べないんだけど、雁の群れに『飛べない鳥は鳥じゃない』みたいにバカにされて、
 『ようし、俺だって飛んでやる!鳥の故郷、ラプランドへ行ってやる!』
 って飛ぼうとするんだよ。
 そこへ小さくなったニルスが今までいじめてた動物たちに追い回されてて、モルテンが飛んだ瞬間に首につけた縄につかまって、そのまま一緒に旅に出るんだよ」

 それを聞いた瞬間、またもニルスがモルテンの首の縄に飛びついたシーンがプレイバックした。
「あ!その飛び乗るシーン思い出しました!こう飛び乗ってぶら下がったまま飛ぶんですよね」
「そうそう」

「でも、なにかニルスと一緒にネズミみたいなピカチューっぽいペットも旅について来たような・・」
キャロットだね。ニルスのペットのハムスターで、一緒に妖精に小さくされて旅をするんだよ」

「あれはキャロットだったのか。名前は完全に記憶にないですwネズミなのにニンジンだったのか。今で言うピカチューのようなキャラが一緒にニルスと一緒に旅してたのは覚えてるんですよ。キャロットだったんだ。
 でも、最終回はどうやって元にもどったんですか?家に戻ったら自然に大きくなったんでしたっけ?」

「ニルスがいなくなって、ニルスの家は家畜とかが減って大変な状態になるんだ。
 そこへニルスが旅から戻ってくるんだけど、まだ小さいままなんだ。だからニルスは家に戻ってきたけど、
 『こんな小さな姿だとお父さんやお母さんには会えない』
 って隠れるんだ。
 そこへモルテンがラプランドで結婚した家族を連れて家の庭に戻るんだけど、妖精がニルスにかけた魔法が解けるには、モルテンが晩餐になって食べられないといけないんだよ

「えっ!?モルテンってずっと一緒に旅をしてきた鳥なんでしょう?
 それが食べられないといけないんですか?そんな条件だったんですか?」

「そうだよ。だって、ニルスの家はニルスがいなくなってから不幸続きで家畜がいなくなって、経済的に大変な状態になってて祭りの日にガチョウのモルテンを料理して、司祭さんに買ってもらわないといけないぐらいになってるんだ。
 魔法をかけた妖精もそれがニルスが元に戻る条件で、運命だって言ってるんだ」

「げっ、ひどいなあ。それで結局、どうなるんです?」
「モルテンが絞められて殺されそうになって、モルテンの子供たちがニルスに抗議して、モルテンの悲鳴も台所から聞こえてくるんだ。
 ニルスはもう小さいまま家の玄関に行ってドアを叩いて、『モルテンを殺さないで!』って叫んで、ドアが開いた瞬間、魔法が解けて元の大きさに戻ったニルスが台所に飛び込んでモルテンを助けるんだ」

「あー、そうだったんですか。全然、覚えてないですw
 何か感動した最終回だったのは覚えてるんですが、内容は記憶から飛んでますね。
 でも、それは妖精ははじめからモルテンを助ければ魔法が解けるとわかってたんですか?」

「いや、妖精はエメリックっていうコウノトリとそれを見てるんだけど、エメリックにここまで考えてたのか、にくいねぇってことを言われるけど、お茶をにごしてはっきりそこまで考えていたとは言わなかったけど、『ニルス自身が魔法を解いたんだ』って説明してたね」

Wiki「ガチョウ」によると
「ガチョウは野生の雁(ガン,かり)を飼いならして家禽化したもので、家禽としてはニワトリに並ぶ歴史を有しており、古代エジプトにおいてすでに家禽化されていた記録がある。ガンと姿形は似ているが、体は大きく太っており、飛ぶ力はほとんどない。
 粗食に耐えながらも短期間で成長し、肉質が優れ、良質な羽毛を備える。肉は食用に、また日本ではあまり食用に供されることはないが、世界的には卵も広く食用とされる」
参照:Wiki「ガチョウ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%A6

↑を読んで初めてガチョウのモルテンと雁の関係がわかった。祖先は同じなんだ。

nils3.jpg
Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(後編)につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/149157135.html

ニルスの不思議な旅DVD、Amazonリンク

〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「宝島」
http://cost-off.seesaa.net/article/106218441.html
Mさん話「緑ルパン」
http://cost-off.seesaa.net/article/106965438.html
Mさん話「作監」「茄子 アンダルシアの夏」
http://cost-off.seesaa.net/article/107494745.html
『宝島』
http://cost-off.seesaa.net/article/139810859.html
『ガンバの冒険』
http://cost-off.seesaa.net/article/105419773.html
アメリカンな実写版ガンダム・ケツ顎シャア「GUNDAM 0079 The War For Earth」
http://cost-off.seesaa.net/article/148768078.html
【目次】コラム人物編目次part1
http://cost-off.seesaa.net/article/107966008.html

続きを読む→Mさん話関連記事目次一覧

2010年05月04日

アメリカンな実写版ガンダム・ケツ顎シャア「GUNDAM 0079 The War For Earth」

 ハリウッドが作った実写版ガンダム「G-SAVIOUR」がまだまともだと思わせるくれる実写版ガンダムのPSゲーム「GUNDAM0079 The War For Earth」(97年5月発売、定価7800円)が『超クソゲー2』の本で紹介されていて、ネットでも詳細ページがあって大爆笑ww

実写版ガンダム「GUNDAM 0079 The War For Earth」の紹介サイト↓
「ケツ顎シャアが来る!実写版ガンダム」
http://blog.livedoor.jp/textsite/archives/50134759.html#

http://genli.hp.infoseek.co.jp/game/gundam.htm
一見する価値あり。ゲームのムービー部分の内容を紹介すると、
ketuago-char.jpg
有名なケツ顎シャア
ketuago-char2.jpg
完全にアイマスクをつけたデブ。チープなヘルメットw
ketuago-char3.jpg
この赤い水牛みたいなシャアの独壇場だそうです
garuma.jpg
このオールバックがガルマで、前髪を指でクルンクルンができなくなってる。
bcafeeac.jpg
「君のお父上がいけないのだよ」「謀ったな!シャア!」のシーン
gun10.jpg
「ジオン公国に栄光あれー!!」
brait.jpg
これがブライト。これでも似ているほう。
seira.jpg
セイラさんらしき人物。ケバいw
ryu.jpg
右がハゲてきてるカイ・シデン、左がガン黒なリュウ・ホセイ
人種も違うし、言う台詞も
gun-luck.gif
「ヒュウ!つらい戦闘だったなあ。」
「あの赤い彗星とやり合って生きてるとは、ラッキーボーイだぜい!」

と、どこまでもアメリカンw
吹き替えの声優は、ファーストのアニメの声優をそのまま起用してるだけに違和感バリバリだそうです。
ゲームはやりたくないが、ムービーだけ見たいなw

動画をネットで発見!↓
https://youtu.be/5bxB2osp_t8?t=348

 そもそも、ガンダムに乗り込む時も「おまえがサイド7を守れ!」と完全にアメリカンな乗りw
この流れを知ってれば、ハリウッドの実写版ドラゴンボール「DRAGONBALL EVOLUTION」の出来も納得。
ちなみに定価7800円だったが、今はアマゾンで78円で購入可能とのこと。ただし送料はその3倍かかるw
2010/05/07時点では中古の最安値は150円だった。↓
GUNDAM0079 The War For Earth、Amazonリンク

ほかのケツ顎シャアの紹介ページ
http://ueno.cool.ne.jp/corak/game/gundam/gundam.html

〜〜〜〜
関連記事:キャッチコピー「違いを楽しもう!」(DRAGONBALL EVOLUTION)
http://cost-off.seesaa.net/article/123727991.html
Mさん話「ガンダムとエヴァ@」
http://cost-off.seesaa.net/article/112749838.html
Mさん話「ガンダムとエヴァAスポンサー」
http://cost-off.seesaa.net/article/113010701.html
Mさん話「ガンダムとエヴァB続・スポンサー」
http://cost-off.seesaa.net/article/113203782.html
Mさん話「ガンダムとエヴァC音楽と切り貼り」
http://cost-off.seesaa.net/article/114118669.html
Mさん話「ガンダムとエヴァDモチベーション」
http://cost-off.seesaa.net/article/115749045.html

【目次】コラム人物編目次part1
http://cost-off.seesaa.net/article/107966008.html
本・映画・ドラマ等レビューカテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/3186948-1.html
アニメ業界話・作品話(Mさん話)カテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/8611452-1.html

2010年02月03日

2009年映画興行収入ランキング

 日本映画製作者連盟の発表によると2009年の邦画興行収入トップ5は、
1位『ROOKIES 卒業』85.5億円
2位『劇場版 ポケットモンスター ダイヤモンド・パール アルセウス超克の時空へ』46.7億円
3位『20世紀少年<最終章>ぼくらの旗』44.1億円
4位『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』40億円
5位『アマルフィ 女神の報酬』36.5億円

 その他、アニメ関係では
6位『名探偵コナン 漆黒の追跡者〈チェイサー〉』35.0億円
9位『ヤッターマン』 31.4億円(3月公開なので実写版のほう)
14位『映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』24.5億円
24位『サマーウォーズ』16.5億円
29位『劇場版MAJOR(メジャー) 友情の一球(ウィニングショット)』10.5億円
32位『映画プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!』10.2億円
34位『映画クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国』10.0億円

 邦画トップ10の2,4,6位がアニメ。2位がポケモンか、子供パワー強っw


 ちなみに洋画は
1位『ハリー・ポッターと謎のプリンス』80.0億円、
2位『レッドクリフ PartU 未来への最終決戦』55.5億円、
3位『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』52.0億円だった。

全部の順位や洋画ランキングは↓を参照。
参照:社団法人日本映画製作者連盟
http://www.eiren.org/toukei/index.html

2010年度は→『2010年映画興行収入ランキング』
http://cost-off.seesaa.net/article/184955148.html

〜〜〜〜
関連記事:『EVA新劇場版:破(ネタバレなし)』
http://cost-off.seesaa.net/article/123027223.html
Mさん話「映画談義」
http://cost-off.seesaa.net/article/121491208.html
Mさん話「映画談義2・ヤッターマン」
http://cost-off.seesaa.net/article/121959079.html
Mさん話「映画とディレクターズカット」
http://cost-off.seesaa.net/article/98197272.html

実写版「ヤッターマン」
http://cost-off.seesaa.net/article/129274245.html
『グラン・トリノ』『ゲームセンターCX 4.0』
http://cost-off.seesaa.net/article/140435581.html

アニメーターのギャラ(Mさん話5)修正版
http://cost-off.seesaa.net/article/96287580.html
Mさん話「ガンダムとエヴァAスポンサー」
http://cost-off.seesaa.net/article/113010701.html
Mさん話「視聴率・肆(四)」
http://cost-off.seesaa.net/article/117820281.html

アニメ業界・作品話(Mさん話)カテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/8611452-1.html

2010年01月31日

【アニメ業界】Mさん話「魚眼レンズ効果」(とりさん画像追加)

Mさん話「演出の役割3−3」の続き。
http://cost-off.seesaa.net/article/133608985.html


Mさん話「魚眼レンズ効果」

2009年6月の駅前の居酒屋での話。(まだ2009年の残り)
「魚眼レンズってわかる?」
「知ってますよ。こう歪んでのぞきこんで来るような画面ですよね。エヴァで出てましたよ」
魚眼レンズ.jpg
魚眼レンズの写真(ひろい物)

「あれだって、さっと見ちゃうけど簡単じゃないんだよ。
 実写だとカメラに魚眼レンズをつけるだけで撮れるけどさ、アニメでやろうとしたら大変だよ」
「え?そうなんですか。パトレイバー2の映画版とかたまに見かけますけど。
 ソフトでCGみたいに変換処理できないんですか?」
「アニメでそれができるってのは聞いたことないねえ。実写のほうは知らないけど、あっても高いんじゃないかな」

※2009年6月に大日本印刷が、魚眼レンズカメラで撮影した映像を平面画像に補正する技術を開発したことを発表した。魚眼レンズ特有の歪みのある画像から、任意に指定した部分をリアルタイムで平面画像に補正・変換することができる。

「魚眼レンズの画面ってのは、消失点を決めてちゃんとパース取って、画面中央に近い物は大きく、端っこのほうは遠いから小さくって、規則通りに実際にアニメーターが画いてるんだよ」
「それ、すごい手間じゃないですか?」
手間もあるけど、まず魚眼レンズの特性知ってるアニメーターでないと画けないよ。
 この角度で見るとこう歪んで見えて、こう動くと大きさやゆがみがこうなるってわかってないと画けない。
ちゃんと規則が決まってるから。
 変に画くとすぐわかっちゃうんだ。『これ、魚眼レンズ知らない人が画いてるな』って」

「そんなに簡単に変ってわかるものですか?」
「だって、実写の魚眼レンズで撮ったのと見比べたら嘘画いてるってわかっちゃうよ」
「あー、車をアニメで動かす話と似てますね。
(参照:Mさん話「緑ルパン」http://cost-off.seesaa.net/article/106965438.html
 てっきり普通に画いて、それを魚眼レンズで撮ればいいと思ってたけど、はじめから魚眼レンズのルールで画いていくんですね」

「でも、画けるだけいいほうだよ。まず魚眼レンズ効果を知ってるアニメーターのほうが少ないと思うよ。
 知らないとそっから勉強してもらって画くなんて絶対間に合わないから、知ってる人で画ける人を探して発注するしかないんだよ」
「元々写真とかカメラを好きな人なら知ってるでしょうけど、それだと頼む人が初めから限られてきますね」
「だから画ける人は多くないんだよ」

「アニメは実写と違ってやろうと思えば何でもできるけど、魚眼レンズとか特殊レンズのところだけは実写のほうが優れてる。だってそういうレンズで撮ればいいんだからw」
「そうですね。実写はレンズ付け替えれば素人でも撮れますね。
 それをアニメで再現するのに、一枚一枚パースとか決めて画いてるとは思わなかったですよ。手間なんてもんじゃないですねw
 観てる人はそれこそ、実写みたいにレンズを付け替えたらいいんだろって思ってますよ。僕も初めて知りましたよ」

「だから、できるアニメーターってのは貴重なんだよ。そういう人をちゃんと育てていかないと。
 いくら演出でこういう画面をやりたいって指示しても、画ける人がいませんってなったら、その演出やコンテは没にするしかないからね」

Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(前編)につづく。
http://cost-off.seesaa.net/article/148843794.html

<魚眼レンズ写真(写真提供:とりさん)>
torisan羽生滑空場.jpg
とりさんのブログ・空港探索「埼玉県・羽生滑空場」より
http://1901rjtt-to-roah.blog.so-net.ne.jp/2007-10-17
torisan新潟港の日没.jpg
とりさんのブログ・空港探索「新潟港の日没」より
http://1901rjtt-to-roah.blog.so-net.ne.jp/2007-09-16

とりさんのブログ・空港探索「秋田県・六郷の夕日」↓にも魚眼レンズ(フィッシュアイ)のきれいな写真があります。
http://1901rjtt-to-roah.blog.so-net.ne.jp/2009-10-05
画像提供のとりさん、いつもありがとうございます☆

※画像は現在のサムネイルからクリックしていくと→最大化→画面サイズに切り替わります。

〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「原作付きアニメ化」
http://cost-off.seesaa.net/article/100823059.html
アメリカンな実写版ガンダム・ケツ顎シャア「GUNDAM 0079 The War For Earth」
http://cost-off.seesaa.net/article/148768078.html
【目次】コラム人物編目次
http://cost-off.seesaa.net/article/107966008.html

まとめて読む→アニメ業界話・作品話(Mさん話)カテゴリー(コストブログ)
http://cost-off.seesaa.net/category/8611452-1.html
アニメ業界話・作品話(Mさん話)カテゴリー(コストブログ2)
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-category-5.html
過去記事リンクは続きを読むをクリック。

続きを読む→Mさん話関連記事リンク一覧

2009年11月22日

【アニメ業界】Mさん話「演出の役割3−3」

Mさん話「演出の役割3−2」のつづき。
http://cost-off.seesaa.net/article/131951152.html

  
   Mさん話「演出の役割3−3」

「ほんとに現場で頑張ってる人や若手がさ、ちゃんと生活できるようにならないと人材が育たないくて、日本のアニメ業界は空洞化しちゃうよ。
 才能ある人がアニメをやろうってことにならないよ。みんな海外発注なっちゃうよ」
「韓国とか国からしてアニメ産業の育成に力入れてますよね。
 アカギ(『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』)は、日テレでも制作スタジオが韓国で、実際スタッフロールがほとんどアルファベットで外人でしたよ。監督とか演出は日本人でしたけど」

「うん、普通に韓国へ一カ月出張して向こうで仕事してきてくれって話もあるんだよ。
 人件費がまだまだ安いからね」
「でもナディア(『ふしぎの海のナディア』)の南の島編は、海外発注で絵が崩れまくってましたよ」
「昔はね。でも最近は技術上がってきてるからね。
 だから業界が空洞化するとさ、技術磨く場がなくなって人が育たなくなるんだよ」

「ただでさえ、富野さんや宮崎さん、師匠もそうだけど、後輩の僕らの作品見て
 『いい加減、俺たちのパロディやめてオリジナル(の演出)をやれよ』
 って言うわけ。
 後輩の作品見たら、自分の世代の作品の影響が出てるわけだから、もうそういうのやめて自分のオリジナルをやってみろって言うんだよ。
 そりゃそうなんだけど、子供の頃にアニメで感動して何回も何百回も繰り返し見て、『これやろう!こういうの作ろう!』って思って業界に入ってるんだもん。意識してなくても影響は出るよ。
 師匠とかの世代はまだアニメがほとんどなくて、別の時代劇とか演劇観てきたものが違うんだ」

「あー、言われたら僕らの世代は好きなアニメや漫画の違いはあっても、口調とか会話の中の台詞には影響出てますね。
 知ってて当たり前っていうぐらいの台詞はいくつもありますよ。
 N城って言うガンダム好きの友達は、ボケの演技入ると必ず口調がシャア(クワトロ)になるんですよw台詞も。
 でも説明しなくても通じるんですよ、周りもわかっているんで」

「だから庵野がナディアの最終回でヤマト(『宇宙戦艦ヤマト』)のパロディをここまでやるか・・って思ったのと同時に、うらやましいなあって思ったね。
 自分の作品で、好きだった作品と同じことを好き勝手やれるなんてまずないよ。みんなやりたくてもできないんだからw」

「そうだったんですかwしかもNHKでやってますからね。北海道だろうと沖縄だろうと全員が知ってますよ。
 でも、ヤマトを知らない世代の僕が見たら全然気付きませんでしたよ、新鮮ですげーっカッコいいって観てましたよw」
「知らない世代には新鮮に映るもんだけど、同世代から上からしたらそれこそ『あの作品のあのシーンだろ』ってすぐわかるからね。 
 だから上の世代からしたら『いつまで俺たちの真似してるんだ』って思うんだよ」

「だからこそいろんな演劇観たり、昔の時代劇作品観て勉強するんだよ。
 最近観てるのは『新選組血風録』だね。ケーブルTVで観てるんだけど、これの演出がすごいんだよ。
 あ、君は高知だから新撰組は嫌いかもしれないけど」
「いや、別に新撰組は嫌いじゃないですよ。土方は函館まで行って戦うし。嫌いなのは土佐の山内ですね。大河の『功名が辻』はほとんど観なかったですよ。
 『新選組血風録』って司馬遼太郎ですよね?原作は読んでますけど、TVでやってた記憶はないですけど」
「白黒のだからねぇ。昭和40年放送だったかな?栗塚旭さんが土方役だね」

(注:テレビ映画「新選組血風録」/昭和40年7月〜41年1月放送。全26話、白黒・各話50分。
 監督: 河野寿一、佐々木康、高見育男、脚本:結束信二
 出演: 栗塚旭(土方歳三)、島田順司(沖田総司)、舟橋元(近藤勇)、左右田一平(斎藤一)、徳大寺伸(原田左之助))

「でも中身は全然すごいよ。
 決闘のシーンで刀を抜いた二人が対峙してるシーンで、ザッと二人の位置が入れ替わって斬り合って、画面には地面の石の上に血がぽたぽたって落ちる演出があるんだけど、どっちが斬られたかわからないんだ。
 どっちかは斬られて傷を負ってる、でも闘ってる相手には見せないし、観客にもわからない。石に血が落ちてるシーンしか見せてないからね。
 傷を負ったのはどっちかわからないし、どこを斬られたのかもわからない。けど、対峙はまだ続いてるっていう演出で、すごいなと思ったね。
 観てるほうはどっちが斬られたんだって考えて、真剣に表情とか動きとかに斬られた影響がないかを見ちゃうからね」

「あえて石に血が落ちるシーンしか見せないことで、情報を制限して引きつけてるんですね」
「そうなんだよ。最近の作品だとどっちがどこを斬られたをわかるようにしてるもんだけど、そうじゃない演出しても全然通じるし、実際斬られても、斬りあいの最中だと集中してり興奮してて気づかないだろうって解釈で、これがリアルなんだよ。
 昔の作品だからって馬鹿にしちゃいけないよ。CGのない頃でもすごい作品はあるんだよ」

「なるほどー」 

 「演出の役割」はこれで終了。

Mさん話「魚眼レンズ効果」につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/139810859.html
Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(前編)
http://cost-off.seesaa.net/article/148843794.html

〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「演出の役割3−1」
http://cost-off.seesaa.net/article/129065805.html
Mさん話「演出の役割1」
http://cost-off.seesaa.net/article/125503014.html
Mさん話「アニメーターと演出」
http://cost-off.seesaa.net/article/104815245.html
Mさん話「演出と脚本」
http://cost-off.seesaa.net/article/97360336.html

まとめて読む→アニメ業界話・作品話(Mさん話)カテゴリー(コストブログ)
http://cost-off.seesaa.net/category/8611452-1.html
アニメ業界話・作品話(Mさん話)カテゴリー(コストブログ2)
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-category-5.html
過去記事リンクは続きを読むをクリック。

続きを読む→Mさん話関連記事目次一覧

2009年11月03日

Mさん話「演出の役割3−2」ver.1.1

Mさん話「演出の役割3−1」の続き。
http://cost-off.seesaa.net/article/129065805.html


    Mさん話「演出の役割3−2」

「同じ作品の中でカット数が多くて仕事量が多い回と、楽な回じゃ大違いですね」
「もっと言えば、作品自体も『ドラえもん』とか『アンパンマン』(『それいけ!アンパンマン』)は線の数からして楽だろうね。
 ガンダムとかロボット物を動かすのと比べたら、一枚の中の線の数が全然違うじゃない。
 それでロボット物のほうが爆発やら弾幕やら派手なシーンも多いわけだから大変だよ」

「アンパンマンはアンパンチぐらいしかないですからね。ガンダムのモビルスーツ戦とじゃ比較にならないですよw客層も違いますし。
 それでもTV一本分のギャラって大きく差がないんですよね?」
「TV作品で、内容によって制作費や予算が大きく変わるってのはあまり聞かないね。どこも大体同じぐらいだよ。
 線が多くてしかもカット数が多いと時間がかかって量がこなせなくて、それで仕事の割りにギャラが稼げないってことになるんだよ」

「あー、だから動画の人に会うと頭下がるってことなんですね。そこまで考えますか。
 きつい仕事と楽な仕事がいい割合で回ってこないんですか?」
「そこはほら、やっぱり昔からあるのは老舗の会社が作ってるから」

 『ドラえもん』は1973年から、『アンパンマン』(『それいけ!アンパンマン』)は1988年から放送されていて、おそらくよっぽどのことがない限り、今後も放送は続いていくだろう。

「きつくて給料同じだと割りが合わないですよ」
「そうだよ。誰だって同じ給料なら楽なほうしたいじゃない。
 サラリーマンやってる君のほうがよっぽど給料いいよ。
 それでもガンダムがこうして30年も続いて、新しい作品が作れるのは『俺はガンダムが作りたくてアニメーターになったんだ』って志持った人がいるからなんだよ。
 日本のアニメを支えてるのは『これが作れるんなら給料安くてもやる』っていう現場のアニメーターなんだよ。
 あのクォリティで、海外でも評価されるようなアニメが作れるってのは、一方で生活を犠牲にしてる人がいるからだよ。
 それを放送でタダで観てさ、手抜き手抜き!って批判するなら、一人100円ぐらい出してさ、それが直接アニメーターに回ってくればDVDにする時に直せるんだよ。
 こっちだってできることなら直したいんだよ。でも予算がつかないんだよ。
 そういうとこからなんとかしないと、税金で『アニメの殿堂』作るとか言う前にさあ」

「漫画だと簡単なんでしょうがねぇ。よく連載だと汚いのがコミックスだと直ってることがありますけど、アニメは簡単にはいかないですよね。
 DVD化する時に直したいけど予算がないからできないってのは、放送しないから(CMのスポンサーがいないから)予算が付かなくてできないって前に聞きましたけど、自前で直しをやってると他の仕事できなくて収入に響くからだったんですね。
 う〜ん、確かに直接お金が回ってくればアニメーターの収入にもなるし、ファンもきれいな絵に修正されて喜ぶはずですから、そういう仕組みがあればいいですね」

 この話は6月だが、直前の5月29日にまだ自民党政権時の2009年度補正予算で「アニメの殿堂」という箱物を税金で何億円もかけて作る案が出て、Mさんと話した数日後にアニメ関係者がTVのインタビューで
「現場の特に若手は(給料が少なくて)生活ができなくて、才能があるのにやめていく人がいるんです。
 箱物もいいですけど、若手育成の基金創設とかを考えてほしいです。
 なによりまず現場の状況をもっと知ってください」
と話していた。

「演出の役割3−3」につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/133608985.html

〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「演出の役割1」
http://cost-off.seesaa.net/article/125503014.html
Mさん話「アニメーターと演出」
http://cost-off.seesaa.net/article/104815245.html
Mさん話「演出と脚本」
http://cost-off.seesaa.net/article/97360336.html
【目次】コラム人物編目次part1
http://cost-off.seesaa.net/article/107966008.html

続きを読む→Mさん話関連記事目次一覧

2009年10月04日

Mさん話「演出の役割3−1」

Mさん話「演出の役割2」(http://cost-off.seesaa.net/article/128998219.html)の続き。


    Mさん話「演出の役割3−1」

「作品ができて内容の評価とは別に、もう一つ内部から仕事としてどうだったかって評価があるんだ」
「人間関係ですか?」

「人間関係は次にやる時に前回気まずかったから、お互いちょっと今度は組むのやめとこうってことになる。
 気が合うとか合わないとかはどうしてもあるからね。
 それはどの仕事でもそうだし、お互いにわかってて次はやめとこうかってことだからまだいいんだよ。
 そうじゃなくてアニメの場合は、予算が一本いくらでそのうち演出料はいくら、原画はいくら、動画はいくらって決まってるから、どうしても動画とかは割のいい仕事と、いい作品がだったけど時間がかかって仕事としては割りが合わないっていう評価があるんだ」

「前に大御所の監督がやっても新人やっても演出料は変わらないって話と、動画だとカット数増えても一本の予算同じだから、カット数が増えると一枚あたりの単価が落ちていくってのは聞きましたけど、それですか」
(参照:『アニメーターのギャラ(Mさん話5)修正版』
    http://cost-off.seesaa.net/article/96287580.html

「動画は特にね。30分番組でバンク使って人物がブリッジで会話してるシーンが多い回と、山場でガンダムならモビルスーツが派手に戦ってる回とじゃ大変さが違うよ。
 一枚だけとっても線の数から言って、人物だけのシーンと武器が多いロボットを動かすシーンじゃ一枚にかかる時間も全然違うし、普通は一本300カットぐらいだけど、カットを多く切る人だと450とか500カットとか切っちゃう。
 当然カット数が多い分、場面がよく切り替わって盛り上がるし、面白い作品はできる。
 だけど、その分は動画の人の負担は当然増えるよね。予算同じで大変なシーンが増えるわけだから」

「あー、確かに単純にカット数が増えると枚数が多くて大変ってことだけじゃなくて、一枚一枚の内容にもモビルスーツの戦闘シーンと、人物の会話シーンじゃ中身も全然違いますね。
 なるほどー」

「作品としては面白くていい出来だった。だけど、仕事としては割りが合わない仕事だったって、作品の内容とは別に仕事としての評価はあるんだよ。
 だから、俺なんか動画の人に会ったら真っ先に頭下げるよ。『あんなにカット多く切ってすいません』って。
 その仕事に多く時間がかかれば、当然他の仕事をやる時間が減って収入に影響するからね」

   「演出の役割3−2」につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/131951152.html

〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「演出の役割1」
http://cost-off.seesaa.net/article/125503014.html
Mさん話「アニメーターと演出」
http://cost-off.seesaa.net/article/104815245.html
Mさん話「演出と脚本」
http://cost-off.seesaa.net/article/97360336.html
Mさん話「絵コンテ」
http://cost-off.seesaa.net/article/110040206.html
アメリカンな実写版ガンダム・ケツ顎シャア「GUNDAM 0079 The War For Earth」
http://cost-off.seesaa.net/article/148768078.html

続きを読む→Mさん話関連記事目次一覧

2009年09月27日

Mさん話「演出の役割2」

Mさん話「演出の役割1」(http://cost-off.seesaa.net/article/125503014.html)の続き。


     Mさん話「演出の役割2」

「頑張っていいアイデア出してもさ、必ず使われるとは限らないんだよ」
「時間とか予算ですか?」
「そうだね。例えば、すごいいいアイデアがあってもそれをやると、カット数やCG処理が増えて時間が間に合わないことがあるから、プロデューサーは
 『いいよ、そこはもう止め絵にして(絵を動かさず)台詞で説明して』
 とか平気で言うからね。
 こっちが必死になって考えたアイデアでも、締め切りに間に合わないとか手間がかかりすぎるってなると簡単に切られちゃうよ」

「つまらないから没にしたとかいうのならわかりますが、いいアイデアでもやっぱり条件が合わないとカットなんですか。厳しいですね」

「いくらいいアイデアでも納品を遅らせるってのはできないからね。
 だから演出がコンテではすごい画や内容書いてても、
 『それやると間に合わないから、口だけ動かして台詞で処理しちゃって』
 とか言うんだよ。こっちが必死で考えた苦労はどこいったんだよw

「それはたまんないですねwよく、
 『あの回は話(ドラマ部分)はつまんないけど、あの演出や戦闘シーンはよかった』
 とか、その部分だけはすごく印象に残ってる回とか多いですよ。
 現場から文句は出ないんですか?」

「当然みんな抵抗するよ。
 いい作品になるか、普通の出来になるかの分れ目だからね。 
 よっぽど変な人以外はみんな現場で抵抗して闘ってるよ。 
 『どうしてこれを没にするんですか!』
 って、もうケンカ状態になるよ。
 時間はかかるけど、これをやれば面白くなるってのはわかってるからね。
 それを簡単に止め絵や説明台詞で処理されて平気ってのはよっぽど変わった人で、そんなの滅多(めった)にいないよ」

「やった上で面白くないって叩かれたならまだ納得できますが、本来やりたかったのをできなくて、評価つけられるのは嫌ですね。
 自分のアイデアがつまんなくてで叩かれるならわかりますけど」

「そりゃ、プロデューサーの立場を考えればわかるんだけどさ。
 締め切りに間に合わして放送して、予算も赤字にならないようにして番組として成立させるのがプロデューサーの仕事だからね。
 だから現場側から、こっちのほうがいい作品になるって抵抗すればするほどさ、上からしたらそういう人はやっぱりうるさいもんだから、煙たがられちゃうもんなんだよ」

「いい作品を作るって視点と、商品として番組として成立させるって視点の違いがありますね。
 確かにいいアイデアがあるんで、今週は再放送ですってのはできないですからね。納期に間に合わないと商品としては認められないですね。
 ドラマだと立て籠もり事件が起こったから、急に今週は以前放送した回を放送しますってのがありましたけど」

(注:『セクシーボイスアンドロボ』(2007年、日本テレビ)の第7週(2007年5月22日)は当初、Voice 7として制作された回がオンエア予定だったが、ハンバーグ店に立てこもる場面があったため、「物語の設定に、愛知立てこもり事件を想起させる場面を含む」として直前に放映休止が決まり、この日はVoice 2(第2話の再放送)に差し替えた。
 翌週は通常通りVoice 8を放送。Voice7の放送は放送完全中止とされ放送は行われなかったが、2007年9月発売のDVDには収録された。
参照:Wiki「セクシーボイスアンドロボ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%9C


「まず契約で、締め切りに間に合わない場合の違約金ってのが何千万円って決まってるからね」

「何千万!?そんなの払えないじゃないですか。制作会社つぶれますよ。
 ただでさえ、途中で引かれて制作会社に来る予算は少ないって言われてるのに」

締め切りを守らせるために払えない金額にしてるんだよ。
 払える金額なら意味ないじゃないw絶対に守らせるための金額を設定してるんだよ。
 それに事件があったからって、簡単に過去の回の再放送なんてできないよ。
 再放送するには、いくら事情があってもスポンサーからTV局から関係者の全員の許可取って、判子を何個も押してもらわないといけないからね。
 説明して回るだけでも大変だから、そうそう再放送なんてできないよ」

「あ、やっぱり契約でそう決まってるんですね」
「そりゃそうだよ。スポンサーがお金出して、TV局が放送してって立派な経済活動だから、ありとあらゆるケースを想定して契約書に盛り込んでいるよ」
 
「確かにCM一本取ってもすごい額のお金が動いてますね。
 ジャンプとかマガジンの週刊雑誌だと『今週の○○は休載します』って、簡単に休んでいるんですがアニメやTV番組はシビアですね」

 時間や予算に縛られない作品を作ってるのは宮崎監督クラスだろうか。
しかし、以前『Mさん話「宮崎監督作品』(http://cost-off.seesaa.net/article/103052906.html
に書いたけど、予算を何十億円使う以上絶対にヒットしないといけないというプレッシャーや、自分のアイデアの引き出しが少なくなる中で常に過去の自分のヒット作品と比較されるという世間からの重圧の中での作品作りとなる。
こちらも並の神経ではできない。
 
  Mさん話「演出の役割3−1」につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/129065805.html
 
〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「アニメーターと演出」
http://cost-off.seesaa.net/article/104815245.html
Mさん話「演出と脚本」
http://cost-off.seesaa.net/article/97360336.html
Mさん話「絵コンテ」
http://cost-off.seesaa.net/article/110040206.html

続きを読む→Mさん話関連記事目次一覧

2009年09月09日

ジャングル大帝、毎日かあさん

 先日、TVのゴールデンに『ジャングル大帝』(手塚治虫)の特番がやってた。
 ふと西武ライオンズのマークは、『ジャングル大帝』のレオなのか、父親のパンジャ(特番でやるまで名前知らなかった)なのか、小さい頃気になっていたのを思い出した。

 検索でWikiを見て長年の謎が解けた。
Wiki「埼玉西武ライオンズ」
「西武になってからの球団シンボルマークは、西武線沿線にゆかりが深い手塚治虫の『ジャングル大帝』の主人公・レオを採用している。肖像権料は1億円という。
 しかし作者の手塚は生前、あの球団旗などに採用されたキャラクターは実はレオではなく、父親のパンジャであったと語っている。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BC%E7%8E%89%E8%A5%BF%E6%AD%A6%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%BA
つまり、
球団の見解はレオ、手塚の見解はパンジャだった。
なるほどw

 で、『毎日かあさん』(西原)は、毎日新聞で連載(毎週日曜掲載)してるから「毎日」だと思ってたのに、TVはテレビ東京なんだよなあ。
 だったら日経新聞でやればいいのにw
(注:テレ東は日経新聞が大株主)

〜〜〜〜
関連記事:『エチカの鏡、サイバラとフジモン』
http://cost-off.seesaa.net/article/118133101.html
Mさん話「視聴率・参」
http://cost-off.seesaa.net/article/117772707.html
「キャプテン翼芸人」&書店専務との会話
http://cost-off.seesaa.net/article/141660472.html

【目次】コラム人物編目次
http://cost-off.seesaa.net/article/107966008.html
【目次】コラム・レポ目次T
http://cost-off.seesaa.net/article/105978819.html
アニメ業界・作品話(Mさん話)カテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/8611452-1.html

2009年08月11日

Mさん話「演出の役割1」

Mさん話「最近の打ち合わせ事情」の続き。
http://cost-off.seesaa.net/article/124937613.html


       Mさん話「演出の役割1」

「こっちもさ、脚本が回ってきて80点の出来ならあとは演出で盛り上げて100点の作品にしようって、逆にこれはどう頑張ってもこれは100点にはいかないって時でもなんとか70点とか80点までもっていこうって思ってやってるわけじゃない。
 脚本のまんまコンテに起こすんだったら誰も苦労しないよ。
 はっきり言って10年もやってれば誰でもテクニックで出来るようになるんだよ」

「う〜ん、脚本見てもあれだけの情報量で絵にするってのはちょっとできないですよ。
 所詮は文字なんで、細かく立ち位置まで書いてくれないとまず絵なんて浮かばないですよ」

「この業界で10年もやってると描けるようになるよ。コンテもテクニックでできるようになるもんだよ。
 だけど、監督がこの話をやってくださいって指名するってことは、少なくても実績見てできる人に任すわけだから、回ってきた脚本を何も考えずにまんまコンテにしたらその人を選んだ意味がないじゃない」

「前に言ってた『ちびまる子』しかやってない人に、やったことがないガンダムの派手な戦闘シーンの回は発注しないってやつですね」

「そう。まずそういう内容のコンテが描けるかどうかもあるけど、
 なにより、脚本時点でいい話なら演出次第では100点や120点の話にしてほしいとか、逆にそうでもない脚本でもなんとかほかの回と比べて見劣りしないようにしてほしいって考えがあるんだよ。
 前にこういう演出してるからこの話もうまくやってくれるだろうとか、こういう内容なんだけどなんとかしてくれって意味もあると思うよ」

「脚本って最終決定稿というよりたたき台的な要素もあるんですね。
 だって戦闘シーンは台詞だけっての見たことありますよ」

「うん、脚本家にもよるけど、前も言ったと思うけど分業的な部分もあって、戦闘シーンとかはもう初めから演出におまかせで流れだけ書いてあったりもするからね。
 逆に台詞は一言一句変えないでほしいって人もいるよ。
 だから、楽しようと思えば何も考えずに脚本のまんまテクニックでコンテを描けば早くできるよ。台詞もそのまんまで写せばいいから」

「台詞を変えちゃダメって制約があればあったで、逆に考えなくていいわけですね」

「でもそれやると、監督にしたら
 「なんだあいつ、脚本のまんまで何も考えてないな。少しは工夫しろ」
 って思うわけじゃない?わざわざその回を任した意味がないって思うわけ。
 台詞だって動きに合わせてこっちのほうがわかりやすいとか、もうちょっと説明台詞足したほうがいいとかあるからね」

「あーだったら、脚本段階で情報が少なすぎたり、出来が微妙な内容が来ると大変ですね」

「でもそれがこの仕事だからね。
 だから演出の人はみんな四苦八苦してコンテ描いてると思うよ。
 苦労して描いてるんだから、ちゃんとアニメーターの人も全部読んでほしいよw自分のとこだけじゃなくてさ」

Mさん話「演出の役割2」につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/128998219.html

〜〜〜〜〜
関連記事:・Mさん話「演出の役割3−1」
http://cost-off.seesaa.net/article/129065805.html
Mさん話「アニメーターと演出」
http://cost-off.seesaa.net/article/104815245.html
Mさん話「演出と脚本」
http://cost-off.seesaa.net/article/97360336.html
Mさん話「絵コンテ」
http://cost-off.seesaa.net/article/110040206.html

続きを読む→Mさん話関連記事目次一覧

2009年08月04日

Mさん話「最近の打ち合わせ事情」

Mさん話「映画談義3・ゲゲゲの鬼太郎」の続き。
http://cost-off.seesaa.net/article/123288136.html


     Mさん話「最近の打ち合わせ事情」

演出家とアニメーターの打ち合わせについて。
「最近はさあ、制作会社に全員が集まって打ち合わせなんてあんまりやらないんだよ」
「え?ポニョ(『崖の上のポニョ』)の制作風景の番組だと、ジブリは会社でみんな机並べて作ってましたよ。宮崎監督がその場でダメ出しとかしてましたよ」

「ジブリはそうだけど、他の会社は全員出社して机並べてやるどことか、一同集まっての打ち合わせもあまりしなくなってるよ。
 フリーの人もいて全員の時間を合わせられないから、個別に打ち合わせして下さいって言われるよ。
 で、一人一人に会社近くの喫茶店で会うんだけど、一人15分だとしても10人以上に会ってごらんよ。かなり時間かかるよ。
 それも面接みたいに連続で来るならいいけど、一人終わったら次の人まで30分待ちとか1時間待ちとか間が空くんだよ。
 全員終わったころには打ち合わせだけで1日終わっちゃうよ。
 まだ1日で終わるならいいよ、その間こっちは仕事止まっちゃうんだから」

「確かにそれは時間かかりますね。まるで学校の進路相談の教師みたいですね。
 にしても、一人15分で済むもんですか?」
「うん、今は時間が無いから数カットだけの担当って人もいるからね。
 でも、向こうにしたら一回の打ち合わせだろうけど、こっちは全体の雰囲気、この話はこういう雰囲気の流れでとかは全員に同じ説明しなきゃならない。
 全員がそろって打ち合わせすれば、一回で済むんだけどね」

「そうですね、全体の説明は全員共通ですからね」
「1日に何人にも同じ説明してると、あれ、あの話はしたっけ?ってわかんなくなっちゃうよw
 向こうも初めて聞くから、どこが抜けてるかわからないから、いえ、聞いてませんってなって、結局、一から全部話さなきゃならないとかさ。
 個別の担当ごとの説明にしたってそうだよ。
 全員で打ち合わせして、他人の説明も聞いてれば、自分とこの担当部分だって前にそういう流れで来てるなら、当然今度もこうなるなってのがわかるんだろうけど、それがバラバラに打ち合わせするとないんだよ

「個別にやるメリット全然ないですねw」

「ほんとだよw
 なによりさあ、会社の会議室でも使えればいいんだけど、今使えませんから喫茶店で打ち合わせしてくださいって、でも連続で来ないからずっと待ってるのも退屈だから外に出るじゃない。
 そうすると次に打ち合わせでまた入ると、店側もさっき来た客だってのはわかってるけど、ご注文は?って聞いてくるんだよ。
 そんなにコーヒー飲めないってww
 
「あー、そうですねwわかってても毎回注文取りに来ますね。
 注文聞かないのも変だし、店に入って注文しないのも変だしで。
 でも、ドリンクバーでもそうですけど、せいぜい3、4杯飲むともう飲めないですよw」

「まだ会って打ち合わせするってのはいいほうで、顔も見ないまま仕事終わったって人もいるよ」
「会わないでどうやって打ち合わせするんですか?」
「電話だね。あとはコンテとか資料は郵送とFAXだね。
 地方にいる人は東京まで出てくる時間がもったないって言うし、移動する時間があったらその間に別の仕事ができるって言うからね。
 いくつも掛け持ちしてるアニメーターが多いからね、一つの仕事にそんなに時間かけてられないってのが本音だよ」

「それでちゃんと仕事できるってのがすごいですね。
 今まで絵コンテとか資料見て説明しながら打ち合わせしてると思ってましたよ」
「当然会ってしたほうがいいんだけど、今は都内にみんな住んでるわけじゃないからね。
 地方に住んでても宅配便とかメールとか通信手段も発達したから、東京にいなくても仕事はできるようになったんだよ」

「う〜ん、アニメーターもTV局やマスコミと同じで都内に住んでないと仕事にならない職種だと思ってましたけど、地方でやってる人もいるんですねぇ」
「フリーでベテランの人とかはそうだね。どこで仕事しても同じだからって。
 だけどさあ、説明する側にしたらたまんないよ。
 打ち合わせを電話でするにしても、向こうは一回の電話ですむからそうしてほしいんだろうけど、こっちは電話のために会社まで出ないといけないことがあるんだよ」

「あ、個人情報の関係で直接電話できないんですか?」
「そうじゃなくて、会社の進行担当の人が演出の打ち合わせの後に、スケジュールの打ち合わせも一緒にしたいから、できれば会社に来てくださいって言うんだよ」

「アニメーターは来なくていいのに、演出のほうは出社しないといけないんですか?
 逆じゃないですかw」
「だからだよ。電話のためだけにこっちが会社まで往復二時間以上とかさ、もう家から直接電話するからって言いたいよw
 それで、電話してまず「送ったコンテは全部読んでくれましたか?」って聞くんだよ。
 そしたらまず「忙しくてまだ読んでません」って答えるねw

「は?コンテ読まないと描けないじゃないですか?」
読んでるのは自分の担当のとこだけなんだよ。前後のパートすら読んでないこと多いよ。
 だからコンテを全部読めばわかること、全体の雰囲気とか流れまで電話で説明しないといけないんだよ。


「前後も読んでないって、なんで読まないんですか?
 本一冊とかそういう量じゃないでしょう?」

「読まないでも描けちゃうからなんだよ。でも、コンテのそこだけ見て描いてるんだよ。
 だから、どういうつもりでこのコマにこういう演出が入ってるとか、そういう意図まではわかってないで描いてるから、上がってきた絵を見て、意図と違うってことになるんだよ。
 仕方ないから、これ演出の意図と違いますから描き直してくださいって言うことになるんだよ」

「う、う〜ん。それはちょっと初めにコンテ読んでもらわないと二度手間になりますね」
「もっとひどいのになると、『時間が無いので説明は自分のとこだけでいいです』って言う人もいるよ。
 あとは『なんで脚本段階とコンテとが違うんですか?』とか『なんで脚本から変えてるんですか?』
 とか言うわけ。
 そりゃ、こっちのほうが面白いと判断したら変えることはあるよ。
 そのために演出家がいるんだし、脚本は必ずしも決定稿ってわけじゃないんだよ。
 それにコンテも監督がチェックしてるから問題があったら通ってないよ」

「なんだか立場逆転してますねw」
「だって、エンドロールのスタッフの名前見てごらんよ。
 動画・原画の人はずらーっと名前出るけどさ、誰がどこを担当したかまでは出ないでしょ。
 だから失敗しても、誰が失敗したかはわからないんだよ。

 腕の関節がおかしい絵があっても、わかるのは本人と打ち合わせした演出家だけだよ。
 同じ回を担当してても、全体で打ち合わせしてないから誰がどこを担当してるかはわからないからね。
 だからあまり評判には出ないけど、演出家はわかってるから次の仕事は別の人に頼もうってことになる」

「なるほど。確かに原画・動画は名前出ますけど、誰がどこの絵を描いたかはわからないですね。
 言われたら当事者以外には調べようがないですね。
 有名なのは庵野監督が『ナウシカ』の巨神兵のシーンを描いたってのは知られてますけど、ごく一部ですね」
(注:エヴァの監督の庵野秀明は『風の谷のナウシカ』の巨神兵登場のシーンの原画を担当した)

「でも、演出は一人で名前出るから、その回がつまらなかったら責任は全て来るよ。
 あいつの演出はこんなんだって覚えられるよw脚本のまんまで頭使ってないとかね

「へー、やっぱ一人で名前が出るってのはそういうことなんですね」

「それでもね、動画の人には会うと頭下げるよ。
 あんなに多くカット切って申し訳ないって、まっさきに頭下げるよ。
 カット数が多くなって仕事量が増えても、制作予算は同じだから動画一枚の単価が安くなるから、ほんと割りの合わない仕事させちゃってすいませんって思うよ」


Mさん話「演出の役割1」につづく。
http://cost-off.seesaa.net/article/125503014.html

〜〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「アニメーターと演出」
http://cost-off.seesaa.net/article/104815245.html
Mさん話「演出と脚本」
http://cost-off.seesaa.net/article/97360336.html
Mさん話「絵コンテ」
http://cost-off.seesaa.net/article/110040206.html
Mさん話「演出の役割2」
http://cost-off.seesaa.net/article/128998219.html

続きを読む→Mさん話関連記事目次一覧
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。