2009年02月09日

『のぼうの城』『覗き小平次』

 今日発売のスピリッツで完結した『のぼうの城』(原作:和田竜、作画:花咲アキラ)は面白かった。
『美味しんぼ』の漫画家が描いてるし、絵柄からしてゆるい戦国物だなあと思ってたら、マイナーな忍城(おしじょう、埼玉県行田市)の籠城戦ながらいい話だった。

 忍城は北条氏の支城で、秀吉の小田原攻めでの関東の局地戦が舞台。
石田三成が水攻めをするが忍城はついに落城せず、結局は小田原城が先に落城したため開城となる。他の支城は全て落城。
 水攻めのために三成が築いた石田堤とその失敗は知ってはいたが、結末は知らなかった。小田原が落ちるまで粘ってたとは。
 北条氏統治下の関東八州では税率が低く、かなりいい統治をしていたというのを読んだことがあるが、忍城籠城で水攻めを破った(石田堤の破壊に成功)にもその影響があるのかもしれない。
 
 最近、マイナーな戦を読むと全然知られていないだけに新鮮で面白いのが多い。戊辰戦争のマイナーな戦とかけっこう裏切りやらぐちゃぐちゃで面白い。それはまた今度に。

 今読んでる中で面白い本は、京極夏彦の『覗き小平次』
『ルー=ガルー』はさっぱりだったが、これは面白い。
 ただ問題は、電車内でこれを読んでるとカバーイラストが引きこもりがのぞき穴から覗いてるようなイラストで、一見変な人に思われそうなことだ。

 あと深夜に『魍魎の匣』のアニメ(08年10〜12月)がやってたけど、あれ面白いの?
 分厚い内容を細切れにして、毎回謎ばっかりの話を数ヶ月かけてみせられて全体理解できるのかなあ。ひっかけとか本じゃないとパッと戻って確認できないし、結末が数ヵ月後ってイライラしそうだ。
 やはり分厚い原作を一気に読むほうがいい。原作派なので実写映画2作もまだ観てない。

〜〜〜
関連記事:『続・真田太平記、九度山行きの心地』
http://cost-off.seesaa.net/article/119408747.html


posted by コスト at 22:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月06日

千原ジュニア著『3月30日』

 駅や車内で、千原ジュニアのサッポロビールのCMの看板を観るたびに、千原ジュニア著『3月30日』の事故やリハビリの記述を思い出して、
「よくぞここまで・・、顔なんか事故でサイボーグ並に手術してるんだろう。そして今はこの看板かw」
って思ってしまう。
 千原ジュニアの『3月30日』は、引きこもり時代の『14歳』に続く自伝的小説で、芸人デビュー後の話が書かれている。
 初めから今のようにウケてたわけでもなく、二度の死線を越え、なぜジャックナイフ芸人からバターナイフと言われるようになったのかが描かれている。(ちょっとニュアンス違うけど)
 『14歳』よりもこっちのほうが面白い。そして、少し泣ける。
 あわせて、『チハラトーク1』のDVDで事故からの復帰の舞台を観るともっと楽しめる。

〜〜〜〜
関連記事:『チハラトーク1』
http://cost-off.seesaa.net/article/99045983.html
今期のドラマ&『チハラトーク#3』
http://cost-off.seesaa.net/article/114354298.html
『チハラトーク ♯-1(2003年4-8月)』
http://cost-off.seesaa.net/article/123785570.html
芸能人・タレント本のベスト3『男道』
http://cost-off.seesaa.net/article/137937913.html
本・映画・ドラマ等レビューカテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/3186948-1.html
posted by コスト at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月26日

ダンテ『神曲』平川 祐弘訳(ver1.2)

 一応仕事収めだったが、今日の朝から電車ががくんと空いていた。
いつも始発駅なのでほとんど座っているが、今日は新宿過ぎても空いていた。
 12/24−26日はハードスケジュールだったが、25日は19時に退社したが半分ぐらいの人は残って残業していた。クリスマスだぜ?と思ったのは俺だけなのか・・。日本はキリスト教国家ではないと安心する。
 といいつつ、この前通勤中に平川 祐弘訳のダンテの『神曲』を読んでて、古典でこれほどの名訳はないというぐらいの出来という名作だと思った。

 『神曲』は、ダンテが古代ローマの詩人ウェルギリウスに導かれ、地獄・煉獄・天国と彼岸の国を遍歴して回るという、いわば地獄巡りの内容。
 キリスト教やギリシャ神話などの素養がない日本人が、本文だけ読んでも意味や真意がよくわからないのだが、平川 祐弘の注釈が実にわかりやすく素晴らしい。
 意味不明な本文を読んだ後に、1/4ほどもある注釈を読むのが実に面白い。注釈のために本文を読んでいた感があるほど、注釈がいいw
 『神曲』自体の内容も、キリスト教唯我独尊の世界観ながらもその構成や緻密で計算された世界観は1304年から1321年頃に書かれたものとは思えないほど。
 古典最高レベルと言われるだけはある。

 キリスト教唯我独尊の世界観については、
・地獄の最下層近くでマホメットは真っ二つに切断されている
・ユダは最下層でサタンに噛み砕かれている
(『神曲』では下層にいくほど罪が重いとされる)
などがあり、イスラム社会では禁書扱いw(本は出ているが、マホメットの部分は削除されている)
 さらにダンテは政治家として政治争いに敗れ、故郷のフィレンツェを追放されているが、その政敵も当然地獄に落とされて苦しんでいる描写がある。
 などなど、個人的な感情などの影響が随所に見られるものの、その文章表現、構成力、想像力、全てにおいて古典の最高レベルと言われるのは妥当な評価だと思う。
 普段は古典などは読まないのだが、平川 祐弘の訳は本当に神レベルであり、直訳的な意味不明な訳どころか違和感すら一切なく読みやすかった。古典で薦める一冊。

 ちなみにダンテの付けた原題は「Commedia (喜劇)」。「喜劇」としたのは、「悲劇」とは逆に円満な結末を迎えるため、また、女子供でも読める俗語で書かれているためだという。
 『神曲』の邦訳名は、森鴎外がアンデルセンの翻訳『即興詩人』の中で用いた。その一章「神曲、吾友なる貴公子」において『神曲』の魅力が語られ、上田敏や正宗白鳥ら文人を魅了し、翻訳紹介の試みが始まった。この鴎外訳『即興詩人』が最初期の『神曲』紹介であり、日本における『神曲』受容はここから始まったとも言える。
 日本におけるほぼすべての邦訳の題名が、より原題に近い『神聖喜劇』ではなく『神曲』の訳題で統一されているのは、鴎外による『神曲』の訳名が人口に膾炙したためであろう。

〜〜〜〜
参照:Wiki「神曲」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%9B%B2

関連記事:『地獄の門(国立西洋美術館)』
http://cost-off.seesaa.net/article/129663764.html
『イタリア大統領』 
http://cost-off.seesaa.net/article/128384479.html
【本】来村多加史著「万里の長城 攻防三千年史」
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-entry-344.html
本・映画・ドラマ等レビューカテゴリー(コストブログ2)
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-category-11.html
本・映画・ドラマ等レビューカテゴリー(コストブログ)
http://cost-off.seesaa.net/category/3186948-1.html
ラベル:ダンテ 神曲
posted by コスト at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月24日

秘密結社鷹の爪THE MOVIE2

 連休中に観たDVDは、『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE2〜私を愛した黒烏龍茶〜』と『少林少女』。

 『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE2〜私を愛した黒烏龍茶〜』は、前作の『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE〜総統は二度死ぬ〜』に続く映画第2弾。
前作がかなり面白かったのでパート2物は、かなりの確率で前作を超えないというジンクスがよぎった。でも前作100に対して85〜90のクォリティがあって良かった。オススメ。
 サブタイトルの「〜私を愛した黒烏龍茶〜」は、映画史上初めてネーミングライツが採用され、「黒烏龍茶」の名称は命名権を購入したサントリーの商品名に由来する。一応、劇中で説明があるw
 今回も島根へのフューチャーがすごいw

 『少林少女』は、宣伝やCMのほうが良くできていた。
まあ予想通りだけど、『少林サッカー』は超えなかった。
少林サッカー>>>カンフーハッスル>>>>少林少女
ラクロスをやろうとも少林拳法をやろうとも思わない感じ。
キャストとCMで客は引き付けられるだろうけど、少林サッカーのように何回も観ても面白いということもない。少林サッカーはベタすぎるんだけど泣いたw

〜〜〜〜
関連記事:『秘密結社 鷹の爪』
http://cost-off.seesaa.net/article/102657054.html
『秘密結社鷹の爪 カウントダウンOP』
http://cost-off.seesaa.net/article/131735263.html
参考:Wiki「鷹の爪」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%98%E5%AF%86%E7%B5%90%E7%A4%BE%E9%B7%B9%E3%81%AE%E7%88%AA
posted by コスト at 20:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月26日

怒りのアフガン

 『ランボー3/怒りのアフガン』は、シルヴェスター・スタローン主演の映画(1988年公開)で、ランボーが味方の救出にアフガンに向かい、現地人のゲリラ部隊と協力してソ連軍の要塞に潜入して戦うという内容のもの。
 それが意外にも世界史の授業で出てきた。世界史の教師は、ソ連のアフガン侵攻の原因や背景、撤退理由を説明し、
「だからランボー一人が暴れまわったからソ連が撤退したわけじゃない!兵士一人の活躍で一国の軍隊が撤退するわけがない。
 あの映画は信じちゃいかんぞ(笑)。」

と、笑いながら言っていた。

 教室は爆笑になったが、ほとんどの生徒はそうだったのかあ(笑)、ランボーは嘘かあ、と映画を史実だと信じていた感じだった。
 俺も怒りのアフガンの公開した1988年から翌1989年にかけてソ連軍の撤退があったので、てっきりランボーの活躍を信じていたが、世界史教師のおかげで映画のプロパガンダから抜け出せたw
 ソ連は10万人以上軍隊で10年間も侵攻してるのに、ランボー一人が暴れたからって慌てて撤退するって、確かにそれはないようなあw

 以後、大人になってから映画で史実を基にしたというのを何作かみたか、そのほとんどがハリウッドならアメリカよりだったり、スポンサーよりのプロパガンダが多かった。少しでも世界史や本を読めばわかるような嘘と我田引水が多かったが、怒りのアフガンを越えるほどのスケールの嘘=演出はなかなかないw
 
 ちなみに、怒りのアフガンのエピソードとして
・1989年にシルヴェスター・スタローンはゴールデンラズベリー賞最低主演男優賞を受賞した。
・全101分の本編で108人の死者が出る過激な内容から、1990年度のギネスブックに「最も暴力的な映画」として認定された。

〜〜〜〜
参照:Wiki「ランボー3/怒りのアフガン」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC3/%E6%80%92%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%AC%E3%83%B3

関連記事:『会話レベルU』
http://cost-off.seesaa.net/article/101548894.html
posted by コスト at 19:52| Comment(4) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月22日

しゃべれども しゃべれども

 レンタルで『しゃべれども しゃべれども』(2007年5月劇場公開)を観た。
地味な邦画だろうと思ってたけど、地味ながらも意外に良かった。落語の演芸場って都内でも4つしかないとは初めて知った。しかし、良作ながらこの地味な内容で劇場公開は厳しいな。1800円払って大スクリーンで見ようとは思わない。レンタルだとちょうど。
 主演の国分太一の落語「火炎太鼓」は、その辺の落研よりも全然うまかった。タイガー&ドラゴンよりもうまい、でもドラマが面白いのはタイガー&ドラゴン。
 ちなみに劇中で一番笑ったのは、「火炎太鼓」ではなく関西弁の子役の「元湯河原やー」と松重豊 「元じゃねえ!」の台詞掛け合い。絶妙w

 原作は佐藤多佳子の小説。
参照:Wiki「しゃべれども しゃべれども」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%97%E3%82%83%E3%81%B9%E3%82%8C%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%97%E3%82%83%E3%81%B9%E3%82%8C%E3%81%A9%E3%82%82
〜〜〜
関連記事:本・映画・ドラマ等レビューカテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/3186948-1.html
posted by コスト at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月16日

『生まれたときから「妖怪」だった』

 水木しげる著『生まれたときから「妖怪」だった』(講談社)。読書10月前期15冊中のベスト3に入った一冊。

 言わずと知れた「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で、妖怪研究家の水木しげるの自伝的エッセイ
水木しげるの驚くべきマイペースが生み出す世間とのずれ、戦争体験、戦後の食うための苦闘、そして人生論と図書館の漫画コーナーに置かれてたわりにはすばらしい内容の一冊。読みやすいしかなりオススメ。

 あまりにも面白く内容も良かったので一部を引用して紹介。

序文:フツーの人間から見れば変人であり、私を「妖怪」という範疇に幽閉しょうとしているのだ。だが、考えてみれば、彼らこそニンゲンのルールという鉄格子のなかに押し込められている存在なんです。その鉄格子越しから見れば、確かに私は「ニンゲン以外の妖怪」になる。

・朝寝坊してゆっくり朝食をとり、たいてい2時間目くらいの時間から登校するという変わった生徒だった。
 私にとって、遅刻することよりも朝食をしっかり食べることのほうが大切だったのだ。

 その後、学校でもマイペースで小学校以外は中退、入試では試験科目の少ない農業学校などを受けるが、面接で志望動機を聞かれて正直に「将来画家になりたい」などと答えて落ちたり、仕事でも失敗を繰り返す。

・戦争で徴兵され、鳥取の連隊でラッパ兵に配属されるが不器用でうまく吹けず罰ばかり食らうので、「ラッパ兵を辞めさせてほしい」と人事係の曹長に具申すると、1,2回は「まあそういわずに」と言われたが、3回目に「よし、わかった。北と南どっちが好きか?」と聞かれ、南と答えると最前線の南方(ラバウル)に送られた。

・いくらのん気な自分でも南方は死地で死にに行くとわかった。
それでも、門限で「ラッパが鳴った時、きさまの足は兵営の門の内側にあったか外側にあったか」と聞かれ、「ハッ片足は入っておりました」と、半分こわがりながらも、半分笑ってもらおうと叫んだ。
 間髪いれず、目から火が出るようなビンタが飛んだ。
イジメの笑いはあっても、ジョークの笑いは通じないのが日本の軍隊である。

 ビンタを食らう姿は情けないし、実際、痛いのだが、打たれる瞬間に前身の力をぬけば、痛みは多少逃げていくという計算をしている。もっと言えば、理不尽にビンタをすることでしか、死ぬ恐怖からのがれる方法を知らない上官に対して、
(私はコイツらが死んでも、ぜったい生き残ってやるぞ)という気持ちを抱いていたのだ。

・私は兵隊が南方の戦地に送られたことでなかば死を覚悟し、そして死んでも、それを「美しい散りぎわ」とは思わなかった。むしろ、悪あがきに見えても、生き残ろうと努力する人間のほうが素晴らしいと思っていた。

 もちろんそんなことはオクビにも出さない。軍隊生活の中では要領の悪い二等兵のままでいた。事実、そうだった。
 ただ、一回だけ私の心の奥にあった「生きる執念」を開帳したことがあった。
 ベテラン老中隊長に頼まれて内地の家族に送る似顔絵を描いている時、
「中隊長殿、ハガキで知らせなくても、内地に帰れば、ご家族はあきれるほど中隊長殿のお顔を見られるではありませんか」
「こんなところに来て、生きて帰れるものか」
「中隊長殿、お言葉ですが、やはり『生きて帰る』という強い意志がないと内地に帰れないのではないでしょうか」
「生意気なことを言うな・・・・・・」
と、中隊長は私に言ったが、表情は柔和だった。
 それからまもなく精勤賞を私がもらった。あとで上官に聞いたところ、中隊長に向かって「生きて帰るという強い意志がないと内地に帰れない」と言った私の言葉を中隊長がことのほか気に入り、どうしても私に精勤賞をやれということになったらしい。

 のち老中隊長は、年の若い大隊長の「全員、玉砕せよ」という命令にさからってゲリラ活動という名の退却をした。そのときすでにマラリアに罹患していた中隊長はタンカで運ばれながら指揮をしていた。
 あるとき「ここで止まれ」という命令。そして「おれをここに置いて、きさまらは先に行け」と言った。だれもが中隊長の自決の意思を悟って「おやめください」と進言したが、中隊長は受け入れなかった。手榴弾で自爆した。
 中隊のなかの八十余名が内地に帰った。
 全員玉砕の命令を受けたほかの中隊で、大隊長に従って玉砕したのはわずか三十〜四十名だった。
 生きることに執念をもたねば、なんのために生まれてきたのだ、という思いが、私の心のなかにいまでもある。
 それを「生の肯定」などと表現する人もいるが、そんなコムズカシイことはどうでもええのです。うまいものを腹一杯食い、好きなことをやり、若いきれいなオネーチャンと毎日アレをやりたい。その気持ちが、それが「生きる」ということだ。

〜〜〜
 とくにこの戦争の下りには、穏やかな文章の中にすさまじいまでの気迫が感じられる。
 この戦争の下りはWiki「水木しげる」では、
<軍隊時代>
 やがて太平洋戦争が始まる。「召集されれば死だ」と考えた茂は、「人生の意味」を求めるため、哲学書や宗教書などを濫読する。その中で、一番気に入ったのが、ヨハン・エッカーマン『ゲーテとの対話』であった。ゲーテにはその後も心酔し続けており、「自分の生き方の基本はゲーテ」と語っている。

召集令状を受け取った茂は、鳥取歩兵第四〇連隊に入営した。

1943年10月、その後の人生に大きく影響したニューブリテン島ラバウルへ岐阜連隊・歩兵第二二九連隊の補充要員として出征する(当時21歳)。
 このニューブリテン島での戦争体験がその後の水木作品に影響を与えた。
 装備も作戦も優れた連合軍の前に、所属する臨時歩兵第二二九連隊(水木の作中ではズンゲン支隊と呼ばれる。支隊長は成瀬懿民少佐))が玉砕するが、水木が所属していた中隊の中隊長(第二中隊長・児玉清三中尉)の機転で遊撃戦(ゲリラ戦)に転じ、そのおかげで生命を拾うこととなる。
 (後年、水木は「この中隊長の決意で60名以上の兵隊が救われた」と書いている。アミバー赤痢とマラリアにかかっていた児玉中尉は、担架かつぐ兵隊の負担になることを考え、その後自決した。)

 その後、水木はマラリアを発症し、死線をさまよう。さらに療養中に敵機の爆撃を受けて左腕に重傷を負い、軍医によって麻酔のない状態で左腕切断手術を受けた。だがマラリアも負傷も快復して終戦を迎え、九死に一生を得て駆逐艦・雪風で日本本土へ復員できた。

片腕を失ったことに対して水木は以下のように語っている。

「私は片腕がなくても他人の3倍は仕事をしてきた。もし両腕があったら、他人の6倍は働けただろう」
「左腕を失ったことを悲しいと思ったことはありますか」という問いには「思ったことはない。命を失うより片腕をなくしても生きている方が価値がある」と答えた。


 他にもこの本にはねずみ男のモデルや、有名なラバウルでの現地住民との関わりなど内容が盛りだくさんでほんとに面白かった。

水木しげるの写真は『水木しげる指名手配?』
http://cost-off.seesaa.net/article/126562855.html
にあります。

〜〜〜
参考:Wiki「水木しげる」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%9C%A8%E3%81%97%E3%81%92%E3%82%8B
ボクの一生はゲゲゲの楽園だ3 水木しげる著

関連記事:Mさん話「映画談義3・ゲゲゲの鬼太郎」
http://cost-off.seesaa.net/article/123288136.html
『ツイッター再利用日記(2010/07/05ごろ)』
http://cost-off.seesaa.net/article/155518387.html
『はだしのゲンの作者』
http://cost-off.seesaa.net/article/107313754.html
『知覧特攻平和会館(語り部編)』
http://cost-off.seesaa.net/article/103531105.html
『なでしこ隊』
http://cost-off.seesaa.net/article/106812060.html
『昭和二十年八月六日午前八時十五分』
http://cost-off.seesaa.net/article/124999074.html
posted by コスト at 00:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月30日

最近観たDVD&Dr.コトー

 最近観たDVDで、
良かった物:チハラトーク#2(せいじの息子話が爆笑。どりあんず堤の話より面白い)
      内村プロデュース(放送は観てなかったが、DVDは面白い。パッケージには、中身の面白さが伝わってないのがおしい。)

イマイチ:ガチ☆ボーイ(特殊な病気を探してきてどうこうってのは、治らない場合はどうしても暗くなるし、プロレス部分なら「お父さんのバックドロップ」(主演は宇梶剛)のほうが最後の盛り上がりは上。)
     となり町戦争(アイデアはいいんだけど、実際映像化すると地味。エンドロールが出るまで原田知世だとは気づかなかった。こんな人だったっけ?)

〜〜〜
『Dr.コトー』・・・ビデオを整理したらDr.コトー(TV第1シリーズ)の最終回があって、つい観てしまったが、何回観てもいいなあ。
 特に時任三郎が息子と一緒に東京にコトーを連れ戻すシーンと、泉谷しげるが病室で星野(父)に九九の話と本土の病院に行こうと説得するシーンは流れ的にも抜群にいい。
 でもって最後にロケ地の与那国島の景色に、中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」が流れるエンディングとTVドラマでは俺のトップ10に入る作品。

〜〜〜〜
関連記事:『チハラトーク1』
http://cost-off.seesaa.net/article/99045983.html
今期のドラマ&『チハラトーク#3』
http://cost-off.seesaa.net/article/114354298.html
本・映画・ドラマ等レビューカテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/3186948-1.html
posted by コスト at 14:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月28日

ボキャブラの特番

ボキャブラの特番を見て笑ってたら、ふと昔知り合いが爆笑問題田中のツッコミは日本で一番的確でうまいと言っていたのを思い出した。確かにそうだなと思った。
 番組名は忘れたが、太田の「今週のコラム」というコーナーがあったが、アドリブで入れてる田中のツッコミがあって初めて太田のコラム(のボケ)が100%完成していくという形だったが、毎週楽しみだった。実家に録画したテープが残ってるかもしれない。(注:ようつべなどにあります)

 で、逆に誰もコントロールできないボケというのは、ネプチューンのホリケン(堀内健)だろう。「アリケン」(テレ東京)を見てると、くりーむ有田が全然まともで真面目に思えるw
 ホリケンは、昔「芸能界に入ってなかったら、露出狂とか犯罪者になっていたと思う」と語っていたが、本当にそれぐらい徹底してる。
 

<普通日記>
 今日、2008/09/28に広島市民球場でも最後の公式戦(広島6-3ヤクルト)が終了。
CSで勝ち上がって日本シリーズという可能性もあるものの、広島市民球場よ、51年間おつかれさま。
posted by コスト at 22:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月21日

『なでしこ隊』感想

『なでしこ隊』(http://cost-off.seesaa.net/article/106812060.html)の続き。

 録画しておいた『なでしこ隊〜少女だけが見た“特攻”封印された23日間〜』を観た。泣きました。薬師丸ひろ子はまるで本人が憑依してるかのようだった。すごい。

 で、昔一緒に知覧特攻平和会館に行ったS川に観たか?とメールしたら、
S川 「昨日は、特攻の話がテレビであってたようだな。
   とは云え、生憎、寮の部屋にはテレビがない。
   PSPのワンセグチューナーを以前購入したが、「受信出来るチャンネンはありません」で終了(笑)
   そうして、昨日の俺はPSPで、インディペンスデイを制作したローランドエメリッヒの最新作「紀元前1万年」を観ていたが、彼女は、特攻隊の番組を観て、泣きべそかいていたようだ。
   それにしても、知覧の特攻会館に、いま一度行ってみたいものだ。
   行く度に、もっとちゃんと生きなきゃなと思えてくる。」
との返事。
あまりにも『なでしこ隊』がよくできてたので、
俺 「知覧のはビデオに撮ってるから、こっち来たときに貸してもよか↑
   今観てるが、俺も泣きべそだwよくできてる。」
まさか、昼間に観て泣くとは思わなかった。

 で、当ブログの関連記事の『知覧特攻平和会館』の記事を見直した。
う〜む、うちのブログでは数少ない真面目な記事で、アップ当初は記事が浮いてて読む人がいるのか不安だったが、書いててよかった。
 真面目な記事は恥ずかしいのであまり書かないのだが、今後は書くことにする。

〜〜〜〜〜
関連記事:『知覧特攻平和会館(語り部編)』
http://cost-off.seesaa.net/article/103531105.html
『2007夏・沖縄旅行[34]コザの街その5ヒストリート』
http://cost-off.seesaa.net/article/88167157.html
参照Wiki:「特別攻撃隊」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%94%BB%E6%92%83%E9%9A%8A
posted by コスト at 14:04| Comment(0) | TrackBack(1) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月19日

なでしこ隊

 9月のアクセス解析を見ると、7/31にアップした知覧特攻平和会館の記事(http://cost-off.seesaa.net/article/103531105.html)が最近コンスタンスにアクセスがあるので、古い記事なのに変だなと思ってると、9/20にTVで『なでしこ隊〜少女達がだけ見た「特攻隊」封印された23日間』が放送されるからだとわかった。それでか。

 9/20.夜9時放送。土曜プレミアム(フジテレビ)
「千の風になって」ドラマスペシャル
『なでしこ隊〜少女だけが見た“特攻”封印された23日間〜』
出演:成海璃子、成宮寛貴、薬師丸ひろ子、和久井映見他

ストーリー:第二次世界大戦末期、薩摩半島の山の中にある小さな町・知覧は、特攻作戦を実施する秘密基地と化した。特攻… 250キロの爆弾と共に、敵艦めがけて我が身もろとも突っ込む。それは、追い詰められた大本営が決行した究極の作戦。
 知覧高等女学校の女学生たちは、特攻隊の奉仕を命じられ、当時、極秘特命任務ゆえ隔離されていた特攻隊員たちの死への旅立ちを最も近くで見送り続けた。少女たちの名は、「なでしこ隊」。
 
 戦争映画とかドラマは、作るのは賛成なんだけど史実に忠実なのか、泣かせるためなのか、エンターテイメント作品なのかはっきりしてほしい。
 戦争物ってそもそも史実が元なのに、時々肝心なとこが雑なのが多い。昔、キムタクがパイロットの『君を忘れない』だと、キムタクが長髪なのはアイドルなのでスルーしても、戦争末期なのにきれいに舗装された滑走路、さらに松村邦洋は太ってバナナを食っていたシーンがあって呆れた。
 日本軍の滑走路は普通土だし、南方の補給線はとっくに切られてて(守備隊は島ごとに撃破された)、それで物資が来なくて特攻するまで追い詰められてたのに、南方のバナナをむしゃむしゃ食う松村がいるってwアイドル映画にしても戦争物で歴史公証すらしてないのには驚いた。

 その点、『ローレライ』は説明は簡単(超技術はドイツからの提供とだけ説明)で、後は完全にエンターテイメント、娯楽映画に徹していたw 
 明日の『なでしこ隊』は証言から作ったとあるから、史実メインのほうだと思うけど、よくできてることを祈る。普段は戦争物は暗そうだからめったに見ない。
以前放送した土曜プレミアムの『ホームレス中学生』ではもろ泣いたw

〜〜〜〜
関連記事:『なでしこ隊』感想
http://cost-off.seesaa.net/article/106908603.html
『オススメ邦画(ver1.5)』
http://cost-off.seesaa.net/article/103531105.html
posted by コスト at 17:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月25日

ガンバの冒険

 Mさんから借りた『ガンバの冒険』(TVシリーズ全26話は1975年放送)のDVDを見終わった。以前借りて観た『宝島』(ともに演出は出崎統)同様、古い作品であっても面白い物は面白いを再確認。伊集院光が絶賛するのもわかる。
 途中、『宝島』と違ってなかなかノロイの島に着かないのと、牛相手に戦っても勝てない(ネズミだから勝負にもならない)ガンバ一行に正直これ大丈夫か?と思ったが、23話「裏切りの砦」〜最終話は実に盛り上がる。ほんとノロイ強すぎ、動物なのに賢すぎw
 ノロイが最後に這い上がってきた時には「ノロイまだやるのか!?」とほんとに声が出た。
 
 ただ、『宝島』と比べると『宝島』のほうが面白い。なぜなら、ジョン・シルバーがいないからwシルバーにはかなわないけど、イカサマはいいキャラだ。一番好きな回は「裏切りの砦」。

 1991年(平成3年)の劇場版新作『ガンバとカワウソの冒険』は、絶滅危惧種のニホンカワウソ(1979年高知県で最後に目撃された)や高知ローカルの妖怪「猿猴(えんこう)」が出てきたり、森林鉄道が出たり、川の豊かな流れの喪失(ダム開発などによる)とやたら高知っぽいなと思ったら、原作の舞台は四万十川流域だった。納得。なお、本編のノロイの島のモデルは八丈島。原作(斉藤惇夫著)は図書館に置いてないかな?
 ちなみに猿猴は、シバテンと同じく高知ローカルの妖怪で川の淵とかに潜んでると言われる河童系の妖怪。ガンバの劇中では暗闇の中で出てくるので姿は見えない。猿ではない。

〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(前編)につづく。
http://cost-off.seesaa.net/article/148843794.html
『宝島』
http://cost-off.seesaa.net/article/100486703.html
本・映画・ドラマ等レビューカテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/3186948-1.html
posted by コスト at 21:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月13日

資料に基づいて

 日本史サスペンス劇場(日テレ)のテロップに、「この番組は資料に基づいて脚色してます」というのが出るが、うちのブログもそうです。
 資料=俺の記憶に基づいて脚色(リライト)してます。でも、日本史サスペンス劇場ほどぶっ飛んだトンデモネタができてないのが残念。あれほどの視聴率狙いはできないw時々ただのゴシップをつなげただけって回がある。ひどいw
 まだテレ東の「新説!?日本ミステリー」のほうがまともだと思うほど。
posted by コスト at 20:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月20日

映画『陰日向に咲く』(ver.1.3)

 レンタルで映画『陰日向に咲く』を観た。
予想以上に良かった。原作は劇団ひとりのベストセラーで、劇団ひとりのお笑いDVD『都会のナポレオン』はつまらなかったが、主演の岡田准一がうまいのか、こっちは実によかった。オムニバス形式の原作と違うって見事に一つの話になってるのは、脚本家の力か、すごいな。
 TVでやってた『ホームレス中学生』も良かったが、芸人やってる人ってやっぱり頭がいいと思う。笑われるではなく、笑わすの違いだ。
 
 ところで『陰日向に咲く』で宮崎あおいが演じてた母親役(二役)のほうの方言はどこの県なんだ?劇中では鳥取ってなってたけど、「〜してぐしない」って実際言うの?

<追加2008/10/21>
 劇団ひとりの原作を読んだ。映画のほうが断然面白い。久々に映画>>>原作の作品。原作はまったく普通だから、映画があそこまで面白いってことはやはり脚本家って凄いな。

〜〜〜〜
関連記事:芸能人・タレント本のベスト3『男道』
http://cost-off.seesaa.net/article/137937913.html
映画『インスタント沼』
http://cost-off.seesaa.net/article/154582155.html
『最近のハズレ映画(2010年7-8月)』
http://cost-off.seesaa.net/article/159356428.html
映画『悪夢のエレベーター』
http://cost-off.seesaa.net/article/164469774.html

実写版「ヤッターマン」
http://cost-off.seesaa.net/article/129274245.html
『サマーウォーズ』
http://cost-off.seesaa.net/article/142912394.html
まとめて読む→本・映画・ドラマ等レビューカテゴリー
http://cost-off.seesaa.net/category/3186948-1.html
posted by コスト at 12:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・ドラマ等レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。