2008年04月18日

Mさん(アニメ業界の人)その3

『Mさん(アニメ業界の人)その2』の続き。
http://cost-off.seesaa.net/article/93222045.html

 この話は、分類するとアニメ話というより『親方の受難』
http://cost-off.seesaa.net/article/91058635.html)と同じで、職業・業界話(インタビューシリーズ)になります。

    『Mさん(アニメ業界の人)その3』

俺 「アニメーターにも師匠っているんですか?」
M  「いるよ。僕の師匠はもうすごい人で、アトムの第1作の頃からやってる人なんだ。」
俺 「えっ、白黒のアトムですか?」
M  「そうそう。『○○○の○○ー』あたりから演出やってるんだ。」
俺 「それは、完全に僕が生まれる前なんで見てないですねぇw
   アニメーターの師匠って絵を習うんですか?漫画家のアシスタントみたいに?」
M  「原画とかの人はそうだね。僕は、若い頃から師匠について演出方法を勉強させてもらったよ。」
俺 「演出ってどうやって勉強するんですか?作品を見るんですか?」
M  「うん、フィルムも見るし、絵コンテとかも見て書き込みからどういう意図で、どういう効果を表現してるのかを学ぶんだ。
   例えば、この絵コンテなんか」
数年前に放送されたある作品の絵コンテを出すMさん。
M  「絵とかすごくわかりづらいよね?」
俺 「正直、これ絵も字も何書いてるかわからないんですが・・。」
M  「普通の人は汚くてわけわからないんだろうけど、僕は10代の頃から師匠の作品見てるからちゃんと読めるんだよw
   この読みづらい中にめちゃめちゃ情報が入ってて、すごく勉強になるんだよ。」
俺 「でもMさん以外の人はどうするんですか?これ、解読しないと指示がわからないですよwこれでできるんですか?」
M  「うん、だから所々直されてるし、ほらここは絵が上手い人が書き直してる。それに他に絵がきれいな人が各作業用にまた書き直したりもするから、これはこれでいいんだよ。」
俺 「やっぱり清書する人いるんですねw」

俺 「確かに絵がきれいな人の絵コンテは、まるでマンガのように読めるんですよ。書き込みとかすごくて。」
M  「でもね、絵がうまいから話が面白いとは限らない。それは別の問題だからね。」
俺 「別の問題ですかw」
M  「僕の師匠なんかは、絵コンテの段階で内容変えちゃうからね。こっちのほうがもっと面白いって。」
俺 「それやっていいんですか?w」
M  「そうやって、今まで名作をいくつも作って来てるからね。」
俺 「そうなんだ、すごい人なんですね。」
   でも、脚本担当の人と絵コンテの人違った場合、よく意図とか伝わるのか不思議なんですよ。僕も週刊で専門冊子作ってましたけど、取材して図面加工してレイアウトして印刷に渡すまで、自分の記事は一人でやるんで、他人に途中から変わるってことなかったんで。」
M  「一人で通したほうがいいのはいいんだけど、とてもとても時間ないからね。描けない人もいるしね。」
俺 「その代わり、読者の質問(クレーム)も書いた者が担当ですけどねw」

俺 「師匠って、白黒アトムの頃からやってるってことはもう結構なベテランですよね?」
M  「確か、60歳ぐらいだと思うけど、この絵コンテは数年前に書いてるから、まだ全然現場でやってるね。」
俺 「バリバリの現役なんですね。ガンダムの富野監督とかと同年代なんですか?」
M  「師匠は、富野さんが書いた絵コンテを読んで、そのままゴミ箱に入れたという伝説を持つ人だよw」
俺 「ええっ!?富野監督なんて僕が知ってる監督の中じゃ神レベルですよ。それをゴミ箱ってw」
M  「師匠は、手塚治虫先生亡き後の虫プロをしょって立つ人と言われてたからねぇ。」
俺 「めちゃめちゃすごい人じゃないですか!」

M  「でもね、この絵コンテなんかは4回も修正くらったらしいんだよ。
   だからなかなか見せてくれなくてね。」
俺 「そんなすごい人でもリテイクくらうんですね。
   でも、普通4回も出すんですか?僕も仕事で、初めの数ヶ月は記事のチェックで真っ赤に修正されてましたけど、4回ってのはないですね。2回越えたら「もう社長(編集長)が書いたらどうですか?」って言いますねw」

M  「普通は、1回か多くても2回なんだよ。でも、この時も師匠は脚本の内容を絵コンテで変えようとして、監督から修正出されてるんだよwちゃんと原作(脚本)通りやってくださいって!」
俺 「やっぱそうでしょうw脚本段階で一回OK出してる物を、絵コンテで変えたらまたやり直しになりますからw」 
M  「でも、監督もよく4回もリテイク出したと思うよ。」
俺 「監督は年下なんですか?」
M  「もう全然年下だよw師匠は大先輩だよwだからいい度胸してると思うよ。」

   つづく

〜〜〜〜〜
続き→『Mさん(アニメ業界の人)その4』
http://cost-off.seesaa.net/article/94280488.html


posted by コスト at 16:10| Comment(6) | TrackBack(0) | コラム・人物編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは、Mです。

お言葉に甘えて覗きに来ました。

しかし、あの短時間の会話を良く覚えていますね。凄い!!
(微妙に違うところもありますが、ほぼあっています。)

でもまだ続くほど何か話しましたっけ?
もう忘れちゃってます・・・

また機会があったらよろしくお願いいたします。

では。
Posted by M at 2008年04月19日 03:34
Mさん、忙しい中来てくださってありがとうございます!!
内容は、記憶違いも当然あるんですが(メモ取ってないんで)、一応記事用にリライトしてるんですよ。伏せたほうがよさそうな事情などは、実際とちょっと違う説明にしてるんですよ^^;
Mさんは忙しいだろうと思って「これ書いて大丈夫ですか?これであってますか?」とか聞くのはまずいかなと思いまして、でも問題点あれば修正しますんで、メールでも連絡くださいー。
会話覚えるのは仕事で慣れてるんですが、やっぱり話が面白かったからですよ^^
また続き書いたら連絡しますねー。
Posted by コスト at 2008年04月19日 11:32
今回のお話も大変貴重で興味深かったです。
Posted by とり at 2008年04月19日 16:25
とりさん、コメントどうもです^^
僕も聞いてて、業界の話は業界人以外の人は知らない話とかいっぱいあって実に面白かったですよ。
Posted by コスト at 2008年04月19日 21:14
はじめまして、検索で偶然にここにたどり着きました。こんな素敵な話を紹介してくれてありがとうございます。

ところで、Mさんのお師匠さんはD氏(注;管理人がイニシャルに変えました)ですよね。ジョーの話といい、富野監督の話といい、やっぱ演出の巨匠Dとしか思えないですね。
Posted by sas1001 at 2008年05月03日 22:45
>>sas1001さん
はじめまして、管理人のコストです。PCの設定で手間取ってコメント気づくのが、遅れてすいませんm(__)m
Mさんとは、G.W前にも飲みに行ったんですが、また面白い話聞きましたんで、オフレコ以外の話はまた記事にしたいと思いますんで、また寄ってみてください。
師匠の名前は当たりなんですが、色々あると困るんでコメント部分もイニシャルに変えさしてもらいました。
やっぱり巨匠と呼ばれてる方なんですね。う〜ん、やはり伏字にしてもわかる人にはわかる内容なんですね^^;
Posted by コスト at 2008年05月07日 23:14
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