2010年08月16日

龍馬伝30,32,33回感想「主役を食う配役・伊勢谷の高杉晋作、泰造の近藤勇3」ver.4

龍馬伝28回感想「武市の夢・土佐勤皇党弾圧その二」の続き。
http://cost-off.seesaa.net/article/156757432.html


  龍馬伝30,32,33回感想「主役を食う配役・伊勢谷の高杉晋作、泰造の近藤勇3」

 龍馬伝では、脚本家の好みなのか、配役の時点で人物の扱いに明暗が出ている。
 実際、いい役者を配した人物は史実よりいい場面や格好いい扱いになっていて、かなり趣味が出ていて面白い。
 主役の龍馬は、福山雅治主演ありきなので置いておいても、主役を食うほどの格好良さを見せつけて、結核気味な顔色まで再現して完全にはまっている高杉晋作(伊勢谷友介)や『新撰組!』の香取慎吾の近藤勇のイメージを打ち消すかのような迫力ある原田泰造の近藤勇と、逆に史実と比べてあまりにもしょぼいの武市半平太(大森南朋)や西郷隆盛(高橋克実)の落差は実に観ていて楽しい。

勝手に分類すると、(順番は登場順、福山主演ありきの作品なので龍馬はのぞく)
Sランク(別格扱い、力の入った台詞がある):吉田松陰(生瀬勝久)、ジョン万次郎(トータス松本)、高杉晋作(伊勢谷友介)、近藤勇(原田泰造)

Aランク(かなりのプラス補正):岡田以蔵(佐藤健)、吉田東洋(田中泯)、山内容堂(近藤正臣)、千葉定吉(里見浩太朗)、勝海舟(武田鉄矢)

Bランク(普通、史実に近い):桂小五郎(谷原章介)、松平春嶽(夏八木勲)、中岡 慎太郎(上川隆也)

Cランク(しょぼっ、出番少なっ):千葉重太郎(渡辺いっけい)、小松帯刀(滝藤賢一)、土方歳三(松田悟志)、沖田総司(栩原楽人)

Dランク(嫌われてるのか?史実のマイナス補正):
武市半平太(大森南朋)、後藤象二郎(青木崇高)、徳川慶喜(田中哲司)、西郷隆盛(高橋克実)

といったところだろうか。女性陣(ほとんどAランク扱い)とインパクトの弱い脇役は除く。

 傾向としては、龍馬を引き立てるためにあまりにも小心者の武市とただの単純バカな後藤象二郎(青木崇高)、倒幕の腹がなかなか決まらない西郷は完全に割を食ってると思えないw
 あと、33回の予告編から予測するに、三吉慎蔵(筧利夫)もAランク以上の扱いではないかと思う。
 パターンからいって薩摩よりも長州より(長州>薩摩)、将軍よりも新撰組(新撰組>将軍家)だ。ま、その辺は脚本家が長州出身だからかもしれない。

 Bランクにしている桂小五郎は史実でも男前なので谷原章介で補正なし、ハンサムスーツなし。中岡は、史実と比べると活躍のわりに(薩長同盟ではもっと奔走していた)龍馬の影に隠れて知名度が低いので損している。実際の写真を見る限り男前なので、上川隆也配役で補正なし。

 Dランクでも武市は出番が長かったのと、最期の三段切腹のシーン、いっけいの千葉重太郎は寺田屋で近藤の襲撃を追い返すシーンは最後の華なのか、出番の最後のほうでいいシーンがある。

 で、しょぼい武市が消えたと思ったら、腹黒なくせに煮え切らない弱腰な高橋克実のちっこい西郷が出てきて実にイライラする。あんな西郷どんが殿様以上のカリスマで薩摩隼人が命がけ戦うとは思えない。西郷はずっと武力倒幕派で、薩摩藩内でも穏健派と対立してはずなのだが。
 司馬遼太郎の小説だと、高杉晋作に「西郷は英雄だ。彼が戦って死ねといえば、多くの薩摩藩士が命を投げ出して戦うだろう。ああいう人物を英雄というのだ」という意味の台詞を言わしてるほどなのに。
 おそらく、このままの高橋克実の西郷だと武市並みの扱いで、京での薩長同盟締結の時でも長州の桂たちに藩の面子云々といって嫌がらせっぽい焦らしをするのだろう。そんなしょぼい西郷どんは改善してほしいぜ。

 で、大政奉還で後藤象二郎(青木崇高)と山内容堂(近藤正臣)がまた再登場するが、後藤はキャラ修正してくるんだろうか?容堂は武市切腹の回で史実ねじまげてもいい人伏線張ったのだが、後藤はどうにもならないバカな悪役だったからなあ。

 一方、第三部から登場した伊勢谷の高杉晋作ははまってるなあ。福山龍馬と対峙した時は、置かれている立場の違いもあってか、こっちのほうが迫力がある。
 舞台も長崎の中華街(横浜や神戸と比べると小さいが中華街がある)の寺で、独特の雰囲気の中で、
「長州は臨戦態勢だ。攻めてくるなら日本中が敵だ」
という長州の状況をクールかつ熱く語るのに対して かたや、龍馬たちは亀山社中(後の海援隊)はのんきに長崎観光してカステラ作りって、いくら船がないからってそりゃあねえよw迫力に差が出て当然w
 高杉は幕軍と戦いで暴れまくって主役を食ったまま病死で退場か。

この時期の長州は、
 6月5日、池田屋の変。新撰組が池田屋を襲撃。
 7月19日、蛤御門の変(禁門の変)。京へ突入した長州軍壊走。長州の来島又兵衛(47歳)討死(胸を撃ちぬかれ、自刃)。久坂玄瑞(25歳)ら自刃。桂小五郎、行方不明。京の焼失家屋2万8千戸。

 8月5日、下関戦争。英・米・仏・蘭の四ヶ国連合艦隊(17隻)が下関を砲撃。同6日、四ヶ国軍陸戦隊が下関上陸。同8日、下関沿岸を四ヶ国軍に占領される。同14日、長州代表として高杉晋作と四ヶ国軍との和平交渉成立。

  11月、第一長州征討。長州藩主、謝罪の態度を表明し、幕軍の条件(長州藩の家老の切腹など)を受け入れる。
  12月15日、長州下関で高杉晋作が功山寺決起(回天義挙、元治の内乱)。俗論党軍(藩内の幕府服従派)との戦いを開始。

1865年2月、高杉晋作らが率いる奇兵隊・諸隊が藩内のクーデター戦に勝利。俗論党軍撤退。長州の藩論は倒幕に統一。
    5月1日、龍馬 西郷吉之助、小松帯刀と鹿児島に入る。同月、龍馬、長崎で亀山社中結成。
(詳しい年表は→龍馬伝20-27回「土佐勤皇党弾圧その一」&年表1
 http://cost-off.seesaa.net/article/155404495.html

と、攘夷実行から後はボロボロになっていたところで、藩内の俗論党との戦いならともかく、幕府と戦うには武器がいるということで高杉が買いに来ていることになっている。
 この後、薩長同盟が成立し、幕府軍を第二次長州征伐(四境戦争)で押し返して日本全体に倒幕の流れ(幕府は長州一藩にすら勝てないとの印象)を作る。
Shinsaku_Takasugi.jpg
高杉晋作(Wiki「高杉晋作」の画像)

 龍馬たちは、史実だと一旦鹿児島に行って、龍馬が西郷どんの家で泊まってふんどしをもらうエピソードがあってから、長崎入り、亀山社中設立。

 維新後、薩摩閥で「幕末の長州は薩摩が手を差し伸べてやらなかったら暴発して滅んでいた」という言い方をしたらしいが、それが事実に近いぐらい追い詰められていた。

 長州VS幕府&諸藩+経済封鎖(外国商人から武器が買えない)では勝目がない。
なので、長州&薩摩+亀山社中VS幕府&諸藩にもっていく。

経済封鎖を薩摩と龍馬たちの亀山社中がかいくぐって武器を買ったのが、33回「亀山社中の大仕事」での軍艦と銃購入の話。

 司馬遼太郎の『竜馬がゆく』で、亀山社中の近藤長次郎(饅頭屋の長次郎)に長崎のグラバー邸で長州に武器と軍艦購入の商談がまとまった後に、
「幕府はばか者ぞろいだ。京でいくら人を斬っても、変わるべき時勢はやがて変わる。それも京で変わらぬ。長崎で変わるのだ」
と言わせている。

 32回で、寺田屋のお龍に近藤がちょっかいを出す話は完全にフィクションなのだが、
 史実で、近藤勇は大坂新町の折屋の芸妓を見受け(身請け代は踏み倒したとの説がある)して京で囲っていたから、わざわざ伏見まで新撰組の局長が一人歩きしてくるわけないだろうけど、寺田屋で腕利き三人が刀を構えるシーンはカッコよかった。幕末で命の取り合いしてるって雰囲気がよく出てた。

 そして、それまでいっけいの千葉重太郎が剣士(道場主)だというのことをすっかり忘れていたw道場で竹刀しか使えないと思い込んでいた。
 今まで千葉道場シーンは、龍馬が居候でホームドラマ的な雰囲気だったが、初めての時代劇っぽい演技をしたいっけい。だって、妹の元彼(佐那の片想い)を連れ戻しに江戸から来てるんだもん。ありえないよw
 いっけいの唯一の見せ場が終わった。たぶん、これが最後の出番だろう。おつかれ、いっけい!
 ところでいっけいの名前の由来はなんだろう?なんで「いっけい」なんだ?「一計を案じる」のいっけいなのか?

 福山雅治は長崎出身なので、32回での近藤とのやり取りで薩摩藩士になりすました時の薩摩弁のほうが土佐弁よりもうまかった気がする。
 福山本人も長崎ロケのインタビューで
「地元でコンサートはしたが、芝居は初めて。土佐弁を話すのが照れくさい。何か俺、地元で芝居しよるばい、と。今回は誰にも連絡せずに帰ってきた。10代のころ、寺町付近のスタジオでギターを抱えて歌った。それがいま、袴(はかま)をはきドラマの撮影をしている。感慨深い」
と話した。

 で、伊勢谷の高杉晋作と並んで、うちのブログの検索ワードで圧倒的な人気があるのは原田泰造の近藤勇。32回に再登場したが、見事なまでヒールで迫力あるなあ。ほんとにネプリーグでよくクイズを間違えてる泰造なのか?

 同じヒールでも田中哲司の眉毛薄っの徳川慶喜は、攘夷実行の日時を朝廷に約束をしておいて裏で諸藩に圧力をかけて自主的に実行させなかったやり口を
勝海舟に「天下の幕府がせこいことすんじゃねえよっ」の台詞で説明されてる通り、なんだかスケールの小さい嫌な奴なのに、泰造の近藤勇は迫力あるし、龍馬との斬り合いがすでに二回もあって、ほんといい扱いされてると思う。

 近藤の狂犬っぽさも出てるし、いかにもこの時期に京都を仕切っていたのは新撰組だって感じが出ている。前の大河ドラマ『新撰組!』の時もこんな近藤が見たかった。
 SMAP香取の近藤なら、いっけいの北進一刀流の道場の名前が出たら、自分の道場と流派を名乗りそうだよ。『新撰組!』では江口龍馬だけが見所だった。
 でも、ココリコの田中といい、ほんと役者の才能って誰にあるかわかんないもんだなあ。

 こういう新撰組が仕切っている状況の京へ、長州の桂小五郎が薩長同盟締結のために危険を冒して向かう。当然、発起人の一人である龍馬も危険の中を京へ向かう。薩摩は、幕府を警戒して自分からは動けないから長州のほうから来いって展開だろうか。

参照:Wiki「高杉晋作」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%9D%89%E6%99%8B%E4%BD%9C

龍馬伝34,35,36,37回感想「大泉長次郎退場、薩長同盟〜寺田屋騒動、妙ににやけた西郷」につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/162404433.html
龍馬伝41回感想「さらば伊勢谷晋作」
http://cost-off.seesaa.net/article/165729086.html

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関連記事:【2010年大河】龍馬伝キャスト発表【福山雅治】(3部・長崎編)
http://cost-off.seesaa.net/article/123522208.html
【大河ドラマ】『花燃ゆ』、伊勢谷友介の高杉晋作と吉田松陰
http://costblog2.blog24.fc2.com/blog-entry-655.html

まとめて読む→歴史&高知カテゴリー(コストブログ)
http://cost-off.seesaa.net/category/2869212-1.html
歴史&高知(龍馬伝など)カテゴリー(コストブログ2)
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<同カテゴリー過去記事リンク>
CMツッコミ、『龍馬伝』1,2話感想(画像追加)
http://cost-off.seesaa.net/article/138129397.html
『龍馬伝』6話感想「生瀬松陰」
http://cost-off.seesaa.net/article/140677932.html
龍馬伝8話感想「香川弥太郎」&『猛き黄金の国』
http://cost-off.seesaa.net/article/142027136.html
『龍馬伝9,10話感想&名前に動物の漢字』
http://cost-off.seesaa.net/article/143092204.html

『龍馬伝』主要キャストの扱われ方
http://cost-off.seesaa.net/article/146190664.html
龍馬伝11,12話感想「東洋と武市、容堂」
http://cost-off.seesaa.net/article/144434284.html
龍馬伝16,17回感想「武田海舟、ジョン万のトータス松本」&土佐弁
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『龍馬伝』視聴率(4/19-25)
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龍馬伝21回の感想「泰造の近藤勇」
http://cost-off.seesaa.net/article/151701763.html
龍馬伝23-24回の感想「泰造の近藤勇2&池田屋事件」
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龍馬伝20-27回感想「土佐勤皇党弾圧その一」&年表1
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龍馬伝28回感想「武市の夢・土佐勤皇党弾圧その二」
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龍馬伝30,32,33回感想「主役を食う配役・伊勢谷の高杉晋作、泰造の近藤勇3」
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龍馬伝34,35,36,37回感想「大泉長次郎退場、薩長同盟〜寺田屋騒動、妙ににやけた西郷」
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龍馬伝38,39,40回感想「霧島ハネムーン、小倉口の戦い、青木の後藤象二郎」
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龍馬伝41回感想「さらば伊勢谷晋作」
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龍馬伝関連「中岡慎太郎(前編)、天誅組の変」
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龍馬伝関連「中岡慎太郎(中編)、池田屋の変、野根山二十三士殉節」
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『龍馬伝』主演は福山
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『龍馬伝ジェット(とりさん画像追加)』
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【目次】歴史&高知カテゴリー【龍馬関連記事】
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posted by コスト at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史&高知(龍馬伝など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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