2009年05月23日

Mさん話「DVD化後編」ver.1.1

Mさん話「DVD化前編」(http://cost-off.seesaa.net/article/119673798.html)の続き。


     Mさん話「DVD化後編」

「DVDにする時に特典映像とか付いてますよね。
 本編の中身をちょっと追加したり作り直したりすると、それ見たさに売れ行きよくなると思いますけど、あれは簡単にはできないんですか?
 TV放送だと時間なくて雑になった部分とかが、よく映画版だときれいになったりしてるじゃないですか。」

「映画版は映画製作予算が付くからできるけど、普通のDVD化で作り直すなんてまずできないよ。
 確かに放送に間に合わないからって出したけど、納得してない箇所はあるよ。100%の満足のいく出来じゃなくて、時間なくてもう仕方なしに納品してることのほうが多いよ。作り直しできるならみんな作り直したいって思ってるよ。自分の作品だからね。
 でも予算が付かないんだよ。絵を自分とこで作り直しても、撮影するのにスタジオ借りなきゃならないし、スタジオ代に音も変えるなら音響スタッフのギャラ、台詞変えるなら当然声優のギャラが発生するからね。

「あー、そうですね。スタジオ代に声優代がかかりますね。
 追加や作り直す部分って1分もないから、漫画家がコミックスの時に書き直すみたいに簡単にできると思ってましたが、それはお金かかりますね。」
「そうだよ、1分しか撮り直しシーンがなくてもスタジオは1時間とか2時間いくらで貸してるし、台詞が一つしかなくても声優だってプロだから一本分のギャラが発生するよ。
 放送してCM枠があるわけじゃないから、スポンサーもつかないしね。
 それをどれだけ売れるか確定してないDVDでやって、作り直しの分の費用が回収できなかったら大変だからね。売れたのに赤字になっちゃうよ。
 漫画だと極端にいえば、漫画家一人で描き直すことだってできるけど、アニメはそうはいかないよ。」

 アンパンマンの作者・やなせたかしは、著書の『人生なんて夢だけど』で、自身が美術監督として参加した手塚治虫のアニメ映画『千夜一夜』(1969年公開)の大ヒットに触れて、
「作品そのものは、後半があまりにも急すぎて雑になっていたのが心残りでしたが、興行的には大成功! しかし驚くべきことに手塚治虫は、完成作品をまた何度も修正してしまうんですね。そのためにお金がかかって結局利益はゼロ。」
と書いている。

「でも、エヴァのDVDはちょっとだけシーンを追加したり、絵を変えてましたよ。パッケージの収録時間も25分より長いんですよ。
 その追加のシーンに謎のヒントがあるのかと思って、その1分の追加シーンがどう変わってる気になってレンタルして観ましたよ。」

「えっ、エヴァってDVDで変えてたの?でも、せいぜい絵を差し替えるぐらいじゃないの?」
「いえ、輪のような使途(アルミサエル、23話)が零号機を侵食・融合しょうとして、それをレイがA.Tフィールドを反転させて取り込んで自爆するってシーンで、TV版だとそのまま普通に爆発するんですが、DVD版だと過去の使途の模様(肉塊)が一瞬ばーっと出て、その後に爆発するんですよ。
 それ観て、この1シーンだけでも借りたかいがあったって思いましたよw」

「へー、そうなんだ。」
「一番わかりやすいのが、ヤシマ作戦の最後のレイの顔ですね。シンジが「笑えばいいと思うよ」って言った後のレイの顔が全然きれいになってましたよ。」
「あれは浮いちゃうぐらいきれいになってたよねw」

 Wiki「新世紀エヴァンゲリオン」によると、
「第弐拾壱話から第弐拾四話までをソフト化するにあたりオンエアフォーマット版(TV放送版)とビデオフォーマット版の2つのバージョンが存在する。
 オンエアフォーマット版(TV放送版)は、本放送およびその再放送にて放送されたもので、ビデオフォーマット版はソフト化する際、第弐拾壱話から第弐拾四話までについては大幅な増補・修正が行われている。
 ビデオフォーマット版は設定や登場人物の描写をより詳しくしたものであり、劇場版総集編『DEATH』の新作カットも一部加えられるなど内容が豊富であるが、TV放送版であるオンエアフォーマット版とは違い1話25分弱の枠に収まっていないため、話のリズムやテンポに違いがある」

ビデオフォーマット版での追加・修正シーン
第23話(EPISODE:23')
 * 第16使徒と物理的融合を果たした零号機の機体から、それまで出現してきた使徒の形をした肉塊が発生する。
* 同じく第16使徒と接触を果たした初号機にのるシンジの手から無数の小さなレイが浮かび上がる(一部劇場版から)。
* 露出した零号機のコアが使徒を抑え込み、膨張するシーン。およびそれらが圧縮されていくシーン。
* 爆発する寸前の零号機が一時的に劇場版のような巨大なレイの姿に。
* ゲンドウと冬月がレイのダミープラグを見上げるシーン。
* 地下に廃棄されている未完成のEVAの数が増加。
* 水槽に浮かぶレイの数が増加、また乳首が追加。
* リツコの回想シーンにおいて、セカンドインパクト時の資料や2体の巨人が繋がった映像が次々とオーバーラップする。ただしこのシーンは、リニューアル版DVDでは削られている。
* リツコの回想シーンにおけるBGMの変更。
(参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3

「あと、ガンダムだって先日放送してた「1stガンダムの映画版のメモリアルBOX」版(2007年12月発売)も、昔のDVDと違ってミハルのエピソードが入ってたり、ジャブロー戦も曲が哀戦士に戻ってましたよ。」

「だって1stガンダムは売れるのが確実にわかってるねw初回生産数も桁が違うよ。
 ガンダムとエヴァは特別だよ。100%出せば売れるって前提で出すから、お金かけてシーン追加したり、音入れ替えたり再編集できるんだよ。
 でも、シーン足して、付加価値を付けたら売れるってのはほんとそうなんだよ。
 (エヴァの)GAINAXは商売がうまいんだよなあwあれは見習うとこだよ。」


<追加09/05/30>
 2007年9月に公開された映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が7月3日午後9時から日本テレビ系の金曜ロードショーでテレビ初放映される。
新劇場版第2部『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が6月27日に公開されるのに併せて放送するもので、放送されるのは再調整が施されたバージョンで、公式の呼称は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 TV版」
 同シリーズの劇場版が地上波ゴールデンタイムで放送されるのは新旧劇場版を通じて初めて。

 この金曜ロードショーデビューに庵野秀明総監督がコメントを寄せた。庵野監督にとってはアニメーターを務めた映画『風の谷のナウシカ』『火垂るの墓』以来の同枠放送で、
「金曜ロードショー、古くは水曜ロードショーは子どものころから僕の憧れでした。 その枠での放映は大人になってからの僕の夢でした。 今回、それがようやく叶います。ありがとうございます」
と、監督としてのゴールデンタイムデビューの喜びを語った。

 「DVD化」は完。
Mさん話「DAICON4(庵野監督)」につづく
http://cost-off.seesaa.net/article/120560117.html

〜〜〜〜〜
関連記事:Mさん話「視聴率・壱」
http://cost-off.seesaa.net/article/116620802.html
Mさん話「視聴率・弐」
http://cost-off.seesaa.net/article/116626243.html
Mさん話「視聴率・参」
http://cost-off.seesaa.net/article/117772707.html
Mさん話「視聴率・肆(四)」
http://cost-off.seesaa.net/article/117820281.html
 Mさん話「ガンダムとエヴァ@」
http://cost-off.seesaa.net/article/112749838.html
・Mさん話「映画談義」
http://cost-off.seesaa.net/article/121491208.html
・Mさん話「映画談義2・ヤッターマン」
http://cost-off.seesaa.net/article/121959079.html

<Mさん話関連記事>
・Mさん話「アニメーターと演出」
http://cost-off.seesaa.net/article/104815245.html
・Mさん話「映画の文法、表現の方程式」
http://cost-off.seesaa.net/article/103435242.html
・Mさん話「映画とディレクターズカット」
http://cost-off.seesaa.net/article/98197272.html
・Mさん話「江頭2:50とお笑い」
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・Mさん話「原作付きアニメ化」
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・Mさん話「演出と脚本」
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・Mさん話「才能U」
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・Mさん話「宮崎監督作品」
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・Mさん話「作監」「茄子 アンダルシアの夏」
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・Mさん話「ガンダムとエヴァ@」
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・Mさん話「ガンダムとエヴァAスポンサー」
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・Mさん話「ガンダムとエヴァB続・スポンサー」
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・Mさん話「ガンダムとエヴァC音楽と切り貼り」
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・Mさん話「ガンダムとエヴァDモチベーション」
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・Mさん話「視聴率・壱」
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・Mさん話「視聴率・弐」
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・Mさん話「視聴率・参」
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・Mさん話「視聴率・肆(四)」
http://cost-off.seesaa.net/article/117820281.html

・Mさん話「DVD化前編」
http://cost-off.seesaa.net/article/119673798.html
・Mさん話「DVD化後編」
http://cost-off.seesaa.net/article/112749838.html

・Mさん話「DAICON4(庵野監督)」
http://cost-off.seesaa.net/article/120560117.html
・Mさん話「映画談義」
http://cost-off.seesaa.net/article/121491208.html
・Mさん話「映画談義2・ヤッターマン」
http://cost-off.seesaa.net/article/121959079.html
・Mさん話「映画談義3・ゲゲゲの鬼太郎」
http://cost-off.seesaa.net/article/123288136.html

・Mさん話「最近の打ち合わせ事情」
http://cost-off.seesaa.net/article/124937613.html
・Mさん話「演出の役割1」
http://cost-off.seesaa.net/article/125503014.html
・Mさん話「演出の役割2」
http://cost-off.seesaa.net/article/128998219.html
・Mさん話「演出の役割3−1」
http://cost-off.seesaa.net/article/129065805.html
・Mさん話「演出の役割3−2」
http://cost-off.seesaa.net/article/131951152.html
・Mさん話「演出の役割3−3」
http://cost-off.seesaa.net/article/133608985.html

・Mさん話「魚眼レンズ効果」
http://cost-off.seesaa.net/article/139810859.html
・Mさん話「ニルスのふしぎな旅」(前編)
http://cost-off.seesaa.net/article/148843794.html

・アニメーターのギャラ(Mさん話5)修正版
http://cost-off.seesaa.net/article/96287580.html

「ガンダム創世」大和田秀樹著
http://cost-off.seesaa.net/article/116268683.html
『秋葉の偶然(Mさん夫妻)』
http://cost-off.seesaa.net/article/119077793.html
『大人の事情(皆殺しの監督)』
http://cost-off.seesaa.net/article/92528294.html

『休日とガンダム産業と経済学賞』
http://cost-off.seesaa.net/article/113515216.html
議長話「異次元ワープと脚本」
http://cost-off.seesaa.net/article/113864254.html
【目次】コラム人物編目次part1
http://cost-off.seesaa.net/article/107966008.html


この記事へのコメント
前記事、「やおい」には深い意味が込められていたんですね〜。アキバとの関連付けで終ったる自分が恥ずかしい^^;

今回の記事も、ふんふん。と楽しく読ませていただきました。
手塚さんの言葉で、「マンガは正妻、アニメは愛人(アニメに金がかかるのは仕方ない)」てのを思い出しました。
Posted by とり at 2009年05月24日 13:14
とりさん、コメントありがとうございます。

>前記事(『ゆるキャラとの遭遇・やおいちゃん』
http://cost-off.seesaa.net/article/120011298.html
なかなか801が商店街の長さの800mと未来へのプラス1とはわかりませんよね^^;

>マンガは正妻、アニメは愛人
おーっ、こういうことも言ってたんですか、
なかなか重みがありますね。
「本は主食、漫画はおやつ」というのは知ってましたが、
これは初めて聞きました。確かにそうですねw
Posted by コスト at 2009年05月24日 15:45
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