2008年12月14日

S川話「セクパブのフリーザ」

    S川話「セクパブのフリーザ」

 東京に来る少し前、院に進んだY岡君やN尾君達がマスター(修士課程)で卒業するというので、卒業祝いの飲み会をやるというので俺は久々に九州・熊本へ向かった。
 昼の飛行機で高知空港から福岡空港へ。大学の頃は帰省やおばあちゃんの見舞いでよく乗ってた路線だ。
 休日のS川が福岡から熊本まで車で運んでくれるというので、S川と合流すべく福岡空港からS川の実家があるJR博多駅から2、3つ行った在来線の駅に移動。
 駅の改札を出てすぐのコンビニにS川が車で来ていて、1年ぶりぐらいに再会を笑いながら喜んで、車に乗り込んで一路我らが青春の街・熊本へ。
 とりあえず、熊本までのガソリン代として数千円を渡すと、
「あ〜、そんなんよかよかw」
と言って断ろうとするので、
「いや、(高速)バスで行くより安いから。」
と言って押し付けた。
「じゃあ、帰りも福岡まで送るばい。」
と、結局片道約110km往復220km以上の距離を乗せてもらうことになって、帰りは福岡空港まで送ってもらった。渡した数千円は片道のつもりだったが、S川らしい。

 その前に飲み会は明日なので、今日はどこかへ遠征に行くかと思ってると、
「今日は久留米にちょっと寄るとこあるけど、よか?」
「あ、いいよ。」
そういえば、久留米には行ったことがないな。
そうして走ってると、S川のケータイが鳴って迎えにいくとか話してて、
「ちょっと知り合い乗せるけん、戻るばい。」
と、言って車はUターンして福岡市方面に戻って、西鉄のそう大きくない駅で止まった。
 そこでクラクションを鳴らすと女の子が車に乗り込んできた。
「S川の彼女か?」
と聞くと、
「違う違うw飲み屋の知り合った子だん。今日、遅刻したから同伴するからってことで久留米の店に寄るばい。」
「あー、寄るって久留米の店のことか。」
「こっちに住んでて中州のほうが近いんですけど、中洲とかで働くと親にバレそうなんので、わざわざ久留米のほうまで行ってるんですよ。」
と、その子は挨拶してきた。
 東京に来てから、キャバ嬢も家から近い店だと親にバレるかもしれないからわざわざ遠くの店で働くというのを聞いたが、東京の場合は山手線で移動すれば済むがこっちは博多から久留米か。

「これお店の名刺です。」
 と、女の子から名刺を渡された。見ると、「おっぱいパブ○○」ともろに書かれていたw
「おっぱいパブなの?胸出してるの?(笑)」
「いや、服着てて普通の店だんw名前だけだん、おっぱいパブはw
 普通の飲み屋と変わらん。」
「そうなのか、酒飲まないからこういう店あまり行ったことないからな。
 俺、別に久留米の街プラついて時間つぶしてるよ。」
「いや、よかよか、俺が出すばいw。」
「いいのか?俺は酒飲まないから、別に外で久留米ラーメンでも食おうかと思ってるけど。」
「あ〜、よかよか。こっちが無理に付き合わせとうけん。」
というわけで、久留米の店へ行くことに。

 夜8時頃久留米着。車を止めて、客引きの多い繁華街を抜けておっぱいパブに入った。
 店内を見ると時間が早いせいか空いてる。でも少ない客も店員も確かに普通に飲んでいて、胸なんかまったく出してない。完全に名前だけだw詐欺じゃんw
 で、席に着く。S川には同伴した知り合いの女の子が付いたが、俺の横にはなんていうか、
・顔は微妙で、体はでかいというかごつい(女性にしては)
・髪型というか頭蓋骨が明らかにいびつで、左右対称ではない髪形で盛り上がってて、さらに後頭部が出ている(がっぱいみたい)
 一言で言うとパンチが効いてる女が付いた。
最近、顔が微妙な人を「パンチが効いてる」と表現するが、この場合は全体的にパンチが効いていて、あまりこういう店に来たことがない俺でも一瞬でハズレだと直感した。
 無論、S川の知り合いの子のほうがかわいくて、あれが店のアベレージだと思ってた俺はマジでパンチを食らった気分。
 かといって俺が金を払うわけではないため、チェンジなどとは言い出せず、言ってもし怖いお兄さんが来て「ちょっと裏まで」などと言われたらやっかいだ。
 もし、そうなってもS川は警○(当時)なので問題ないが、同伴の子に迷惑がかかるのでとりあえず、会話だけでも楽しもうと思ったが、こいつの接客というのは
酒は?→飲めないので
タバコは?→吸わない
といった質問で終了し、
「じゃあ、何が楽しみで生きてるの?」
と、言ってきた。
 俺からしたら、ダイビングやら旅行やら読書やら世の中には楽しみはごまんとあるのに、簡単に手に入るタバコや酒しか選択肢を考えられないあんたのほうがよっぽど人生を楽しんでないよ、と言おうと思ったが、
「いやあ、沖縄でダイビングとか。水泳してるからタバコ吸わないんですよ。」
となんとか答えたものの、ダイビングの楽しさなんて、せめてスポーツの楽しさを知ってない人間でないと説明してもわかりっこないので、それ以上の説明をやめた。
 砂糖をなめたことがない者に砂糖の甘さを伝えるのは難しい。

 この時点で「おっぱいパブ」の名刺を見たころの予想と違って、まったく楽しくない状態であったが、ふとこのパンチの効いた女は何かに似ていると思ってると気づいた。
 フリーザだ、そうかフリーザの第3形態(第2変身形態)だ!
そう、ドラゴンボールのフリーザの第2変身形態で、頭部がエクレア状に後ろに伸びた時の顔にそっくりだw
 よくこんなの店に出すなぁ。俺とS川があまり金持ちに見えないからコイツをぶつけてきたのか?
 と、考えてると、同伴の女の子と楽しく会話してたS川がつまらそうにしてる俺に気を使って、こっちに話しかけてきた。
S川はいきなり
「あ、あんたフリーザに似てるねえ!変身中のフリーザにw」
とはっきりと口に出して言った。
顔色が変わるフリーザ。
あーあ、俺は思ったけどこらえてたのに、でもS川が言ったんならもういいだろう。
「だろ!俺もそう思ってたw変身中の第2形態だろ?最終形態じゃなくて途中のやつw」
「そそそ!似てるよねwまだこれから変身するの?」
と、さすがS川は「金を出す客なのになんで遠慮があろうか」という感じで思い切り突っ込んだw
それを聞いてフリーザは、
「フリーザってなに?」
と、どうやらフリーザを知らないようだったが、ドラゴンボールのという説明を聞いてどうやら馬鹿にされたのに気づいたとわかって、ますます接客態度が悪くなった。

 でも、一応話しかけねばまずいので
「この仕事やって何か大変だったってことありますか?」
と尋ねると、
「客引きやってて、それが私服の警官で連れて行かれたことがあっ手大変だったわ。」
「まあ、客引きは違法だからねぇ。」
「でも、私服で来て捜査ってひどいでしょう?」
「わかるけど捜査だから。制服で来たらバレて捜査にならないでしょ。
 逮捕されたの?」
「ううん、注意されただけ。だから私、警官嫌い。」
「でも、こいつ警○だよ。」
と、S川を指差す。
「えっ!?嘘?」
「S川、警○手帳持ってるか?警○つっても信じないんだけど。」
「あるばい、ほら。」
警○手帳を見るとさらに不機嫌になるフリーザ。

 S川は同伴の子との会話に夢中で、その子の営業成績を気にしてか2回ほど延長していた。
 その間ずっとフリーザなので俺は居心地が悪いだけになり、外に電話に出て高知のY崎だったか誰かに延々30分ほど電話で「フリーザが付いた」と話して時間を潰した。
 あー、やっぱり酒飲む店って合わないなあ。
全然おっぱいパブじゃねえし、酒飲めないし、馬鹿が付くとこっちが気を使うし、ラーメンでも食べにいけばよかったな。
 結局、会計ではS川が数万円を払っていたので、さすがに
「おい、金大丈夫か?」
と聞くと
「よかよか、今月末はボーナスだん。公務員だからちゃんと出るから。それに延長の1回分は同伴の子が払ってくれたみたいやけん。」
「そうか悪いな。でも、こっちもまさかフリーザが来るとは思ってなかったw」
「あれは似てたねぇw」
「俺も頭や後頭部がいびつでこれフリーザの変身中じゃ?ってずっと思ってたw
 でも空気読んで言わなかったら、いきなりS川がストレートに言うから、爆笑よw
 これで完全にフリーザ機嫌悪くなったなw」
「どうせ向こうは仕事だん。でも、○○さん(俺の名前)には悪いことしたね、俺もフリーザが来るとは思わんかったからw」
「いやいや、タダやし、面白かったw。」

 この後、久留米の街を歩き、JR久留米駅→アーケード→西鉄久留米駅とプラついて、屋台の久留米ラーメン(とんこつの薄味)を食べた。
「あの屋台のとんこつちょっと薄かったね。もっとうまいとこ知ってるけど、さっき(酒を)飲んだけん、車動かせなん。」
「いやいいよ。それにもう0時近いから閉まってるかもしれんし。」
久留米ラーメンをクリアした俺は寝る場所を考えてるとカブセルホテルがあったので、そこで寝るかと聞くと、
「いや、金もったいないけん、車で寝るたい。じき朝ばい。」
と、さっき数万円さっと払ってのに行かないという。どういう金の配分なんだw
「じゃあ、(カプセルホテルの)サウナだけでも俺が奢るから風呂入ったらどうだ?ちょっと小雨で濡れただろう。」
店を出て街を歩いてる時にほんの少し霧状の小雨で濡れたのだ。
「よかよか、気にせんでよか。俺は体力仕事だけん。」
「そうか、俺はまだ日程に先があるからカプセル行くけどいいか?」
「よか、朝起きたら電話してくれたら迎えに行くばい。」
と、言ってS川と別れて俺はカプセルホテルで寝た。

 翌朝、S川と合流。S川はまったく体調に問題ない様子だ。流石だ。
「でもたい、コインパーキングに停めて寝たから、朝起きたら2600円とかになっとったばい。やられたばいw」
「カプセルの駐車場に置いておきゃよかったな。
 さあ、いよいよ熊本行くか。俺らのテリトリーへw」
1年ぶりの熊本へ向かって出発した。

 この後、熊本で大学院に進学したY岡君、N尾君、呼んでもないのに来たキモト、そしてキモト以上に問題児となっていたオーサキが集まって、波乱に満ちた再会と飲み会が始まるのだが、それはまた機会に。

(注;「がっぱい」とは沖縄の方言で後頭部が出っ張っている人のこと。
 漫画『わたるがぴゅん!』に出てくる沖縄番長ガッパイ宮城のあだ名。)

〜〜〜
関連記事:S川話「固定概念」
http://cost-off.seesaa.net/article/110962382.html
S川話「殺人事件狂騒曲」
http://cost-off.seesaa.net/article/101794742.html
『トックリ話「酒、UFO」』
http://cost-off.seesaa.net/article/108371463.html
【目次】コラム人物編目次part1
http://cost-off.seesaa.net/article/107966008.html


posted by コスト at 14:51| Comment(2) | TrackBack(0) | コラム・人物編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アハハ、フリーザってこういうことでしたか。
オイラの周りにも酒飲みはいろいろいますが、
酒飲みの金の使い方は到底理解不能です^^
がっぱい、初めて聞きました。
Posted by とり at 2008年12月15日 18:44
とりさん、コメントどうもです。
あの時のフリーザは本当インパクトありましたよーw
何の打ち合わせもしてないのにS川もシンクロして「フリーザ!」と言ったぐらいフリーザでした^^;
顔よりも頭蓋骨の印象が強いですね。
形がいびつで、もし角が出てきても「あー、それが次の段階なのね」って普通に感想がでるぐらいです。
席にいるのが苦痛だったんで、外で長距離電話をしてたんですが、
これで金を取るシステムってすごいなって思いました。
ちなみに久留米の繁華街は客引きが多かったように覚えてます。

>がっぱい 僕は小さい頃に読んだ漫画のキャラの名前だと思ってたんですが、
検索すると沖縄方言と出て、確かにそのキャラも沖縄出身だったのでとりさんは知ってるだろうと思って書いたのですが、
とりさんが知らないとなるとあまり使われてない方言なんですね。
Posted by コスト at 2008年12月15日 20:41
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