2008年06月26日

会話レベルU(法学部の教授)

『会話レベルT』の続き
http://cost-off.seesaa.net/article/101539449.html

 大学一年の時。一般教養の法学の講義での話。
「君達は、税金を払うという義務を果たしているから選挙権が与えられている。義務を果たした以上権利は行使すべきだ。
 投票という意思表示をしなければ、今の現状を肯定したことになる。例えば、衆議員総選挙では同時に最高裁判官の国民審査が行われるが、これは白票は信任とされる。行って投票しても×と書かない限り、勝手に信任したことになるんだ。これはふざけた制度だ。普通は信任で○とすべきものだ。だから、不信任になった裁判官なんていないんだ。自分達に都合のいい制度になっているんだ。
 最高裁でいい判決が出たなんて聞かない、諸君は選挙に行ったら全裁判官に×をつけてやれ!知らなくてもだ。そうしないと国民審査、国民の目があるというプレッシャーの下で正しい判決を出さない。
 民主主義というものは、ただ税金を払っていればいいというものではない。構成する国民の行動によって民主主義は成立しているということを考えたまえ!」

 という、なかなかの名演説いや、名講義で今でも内容を覚えているのだが、この後の話がもっと印象に残っている。

「では、質問を受け付ける。いい質問には10点加算してやる。
 無論、反論でもいいし、自分はこう思うという意見を述べても、それは評価して加算する。誰かいないか、こういうところでアピールすれば点数は高いぞ。」
と教授が言いながら見渡していると、前列で学生が手を上げて指名された。立ち上がって学生は、
「教授、税金は払うものではなく、納めるものです。」
とまったく自分の意見にまったく疑いの余地を持っていないマナザシで言い切った。

 教授も俺も、発言した学生をのぞく大教室にいた学生のほとんどが空気が凍るのを感じた。
 コイツ、さっきの大演説の何を聞いていやがったんだ。
 民主主義の本質を講義していたはずなのに、コイツの指摘は中学生レベルの漢字の間違い・・。マジかよ・・、こいつずっと言葉尻が違うってことばっかり気にしてたのか。ボケとか冗談でもなく、講義中に立って指摘してる。講義が終わって冗談っぽく言うんならともかく、本気でキラキラした目で言ってやがる。純粋まっすぐ君か・・。

 俺は呆れていたが、教授はさすがにプロなのですぐに体勢を立て直して、
「うむ、確かに税金は納めると表現するほうが正しい。なかなかいい指摘だw点数を加算しておくので、後で名前を言いに来なさい。」
と、苦笑いしながらもうまくさばいた。
 屁理屈だとかカッとならずに、正しい部分は正しいと認めて処理した。これで次回から質問が増えるだろう、あのレベルの質問でも加算されるならと。教授うまいなw
 でも、この質問した純粋まっすぐ君とは話合わないだろうなあ。受験勉強しかしてなさそうだ。それ以外の知識や経験ないから話つまんないだろうなあ。受験科目以外や試験に出ない知識やは知らなさそうだし、坊ちゃんなんだろうなあ。
 
 この教授は実に面白くて、法学部ではなかったがこの講義は楽しみだったし、考え方にも影響を受けている。その後の法学の講義で遺産相続についても色々学んで、その後に強欲婆さんとの第一次遺産相続調停へと突き進むことになる。実にためになった講義だった。
 


posted by コスト at 01:21| Comment(2) | TrackBack(0) | コラム・人物編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
教授の対応に100点加算!
Posted by とり at 2008年06月28日 11:09
この教授の講義は、他にもネタありまして、
出席取った後に後ろの出口からこっそり帰る生徒を全力疾走で追いかけて、階段でこけて救急車呼んだ話とかあって面白かったです^^

大学で習ったことで数少ない役に立った内容でした☆
Posted by コスト at 2008年06月28日 23:00
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